ニュース 電子 作成日:2025年7月9日_記事番号:T00122764
ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)のサプライヤーで、半導体ウエハー輸送容器メーカー大手、家登精密工業(Gudengプレシジョン・インダストリアル)の邱銘乾・董事長は8日、米国の関税政策や台湾元の急騰を受け、今年の連結売上高の目標100億台湾元(約500億円)をやや下方修正する必要があると語った。AI(人工知能)向け需要を楽観している一方で、米国の関税政策で消費者向け電子製品の需要が減少すると予想した。TSMCのサプライチェーン(供給網)で初めての下方修正だ。9日付経済日報などが報じた。
邱・董事長は、TSMCが米国で1000億米ドルの追加投資計画を発表したのに、米国政府が台湾への相互関税税率を25%以上とするならば、まるで下働き扱いだと語った(8日=中央社)
家登精密工業は、半導体ウエハー輸送容器の中華圏での最大手だ。顧客は、TSMCをはじめ、インテルやサムスン電子などの半導体大手メーカーで、先進製造プロセスの重要なサプライヤーだ。
家登精密工業は8日、新北市土城区で、研究開発(R&D)と生産の新拠点の稼働式を開催した(8日=中央社)
2024年の連結売上高は前年比28.9%増の65億4500万元で、過去最高だった。25年1~5月は28億7300万元で、前年同期比14.5%増加した。
邱・董事長は、今年の連結売上高見通しの下方修正は30~40%のような大幅なものではなく、やや調整する程度だと説明した。
TSMCは来週17日に業績説明会を開催する予定だ。
■米国の相互関税に懸念
米国は、8月1日から新たな相互関税率を適用する予定だ。ベトナムは20%、日本や韓国は25%の関税が課される。
邱・董事長は、米国の台湾からの輸入品に対する相互関税率が日本を下回る可能性は低いと語った。米国が予定している半導体関税は、半導体を搭載した最終製品まで対象に含まれるのか不明だと語った。マイクロソフト(MS)などクラウドサービスプロバイダー(CSP)のAI(人工知能)投資に影響が出れば、半導体需要にも影響すると語った。
邱・董事長は、顧客は米国投資に積極的で、アリゾナ州政府から家登精密工業に対し、米国工場設置の誘致があったと説明した。米国は製造業が空洞化している上、台湾のように毎日365日、24時間働けるような技術者はいないため、台湾メーカーが米国生産するかが鍵になると語った。
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