ニュース 社会 作成日:2025年8月25日_記事番号:T00123695
かつて台湾や海外で「飲食王国」を築き、今は畑違いのワイズコンサルティンググループ(威志企管顧問)でワイズクラウド(威志雲端)総経理を務める徐国勝氏が、20年来の付き合いがあるジャーナリスト狄志為氏の取材に応じた。
ジャーナリストの狄志為氏(左)とワイズクラウドの徐国勝・総経理(右)
■コロナ直撃、20店閉店
徐氏はかつて、白菜の漬物を使った鍋料理の名店「何善之酸菜白肉鍋」など、台湾各地をはじめ、中国や香港、米国に飲食店を展開。絶頂期の2018年には「飲食王国」「人生の勝ち組」とうらやまれていた人物だ。ところが、コロナ禍が直撃し、海外の店舗が次々と閉店に追いやられた。
「当時はどん底で、うつと躁を繰り返し、パニック発作に襲われた。息をするのも苦しく、まるで深い奈落に落ちたようだった」と振り返る。
1年間の沈黙の後、大きな転機が訪れる。ワイズコンサルティンググループに声を掛けられた。ワイズは、サイボウズのクラウド型業務プラットフォームkintone(キントーン)の台湾代理店を務めており、その台湾企業の開拓チームに招かれたのだ。
https://www.ys-consulting.com.tw/service/it/kintone.html
「正直に言うと、エンジニアではないのに務まるのか、自分でも疑っていた」と苦笑する。「ましてや他の人が信じるはずもない。この業界に入るなんてあり得ないと多くの人が思っていた」。
飲食業からクラウドの世界に飛び込むのは、一見すると不可能な挑戦だった。最初は見慣れないシステム画面を前に固まり、冷や汗をかいた。それでも自分を奮い立たせ、昼間は取引先を回って営業活動、夜はシステム研究に没頭。ノートは試行錯誤の記録で埋まっていった。
■過去の経験を新たな価値に
「時には、道を間違えたのではと疑ったこともある。でも、人間関係の築き方もチームの率い方も知っている」。長年積み上げた信頼と人脈が武器になった。飲食業で鍛えられたストレス耐性も糧となった。過去を捨て去るのではなく、経験を新しい価値に転換すること。それが異業種で歩む鍵となった。
3年後の今、台湾でkintoneを広める推進役として、日系企業の開拓チームとともに前進している。
年齢は問題ではない。バックグラウンドも足かせにならない。テック人材でなくても切り開いていける。たとえ、どん底に落ちても、やる気と努力さえあれば、新たな高みを目指すことができるのだと身をもって示した。
林訑孝
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