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台湾のドローン業界、米国顧客や米軍が誘致か【図表】(トップニュース)


ニュース その他製造 作成日:2025年8月27日_記事番号:T00123748

台湾のドローン業界、米国顧客や米軍が誘致か【図表】(トップニュース)

 航空機・部品メーカーの漢翔航空工業(エアロスペース・インダストリアル・デベロップメント、AIDC)が秘密裏に米国にアリゾナ工場を建設したほか、サプライヤーに米国投資を呼びかけ、米国でのドローン(無人航空機)のサプライチェーン(供給網)構築を進めているようだ。米国の顧客や米軍が、中国メーカーを排除した非・紅色供給網(レッドサプライチェーン)を構築し、モーターや通信モジュールなどの部品を米国生産することを望んでいるとされ、米軍の年間の調達額は40億米ドルに上るとみられている。27日付経済日報が報じた。

/date/2025/08/27/00drone_2.jpg連江県東引郷の陸軍東引地区指揮部は、無人機部を立ち上げ、兵士が操縦スキルを習得している(25日=中央社)

 業界関係者は、台湾が近年、中国メーカーを外した非・紅色供給網の無人機に注力しているため、米国のドローン大手メーカーが台湾メーカーとの提携に意欲を示していると指摘した。台湾メーカーに対し、米国での工場設立を誘致しているほか、台湾に無人機の研究開発(R&D)センターを設立する計画があると説明した。

 AIDCの胡開宏・董事長は、台湾のあるテック大手が、AIDCが主導して米国でサプライチェーンを構築することを望んでいると明かした。このテック企業は受注は可能だが、軍需品を生産する技術や設備はない。そこで、米国に工場があるAIDCが主導して、米国の顧客の近くで生産すると説明した。

 AIDCは米国アリゾナ州に工場を設置しており、設備の搬入も完了した。現在は検証段階に入っており、2026年末に小規模な量産を行い、27年に稼働する予定だ。

 無人機メーカー大手の雷虎科技(サンダータイガー)も米国で工場を設置する計画がある。このほか、▽ドローン用モーターを手掛ける東元電機(TECOエレクトリック&マシナリー)、▽ドローンメーカーの中光電智能機器人(コアトロニック・インテリジェント・ロボティクス、CIRC)、▽電子機器受託生産大手、緯創資通(ウィストロン)、▽複合材料の邦泰複合材料(ポンテックス・ポリブレンド)──がAIDCの米国投資拡大計画に加わる可能性がある。

■9月に展示会

 航空宇宙や防衛産業の国際展示会、台北国際航太暨国防工業展覧会(TADTE、航太展)が9月18~20日に台北南港展覧館(TaiNEX)1館で開催される。世界14カ国・地域から400社以上がブース1400小間以上を出展する予定で、前回より25%多い。

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 業界関係者は、米国との協力がTADTEの重要なテーマになると指摘した。商機の創出は1000億台湾元(約4800億円)以上になるとみられている。

■インドも誘致

 無人機業界団体、台湾卓越無人機海外商機聯盟(TEDIBOA)は9月で設立1周年を迎える。会員は200社を超えた。これまで米国や日本、欧州を訪問し、提携拡大やサプライチェーン構築を図ってきた。インド・パキスタン軍事衝突後、インドからも台湾メーカーに対する無人機工場の誘致があるとされる。

 このほか、兵器の開発、製造を手掛ける台湾の研究機関、国家中山科学研究院(中科院)が嘉義県民雄郷で宇宙航空や無人機産業の集積地「民雄航太・無人機産業園区」を設置する計画が26日、環境影響評価(環境アセスメント)を開始した。敷地21ヘクタールに、無人機の研究開発、テスト、生産拠点を設置する。工期は3年を予定している。

 

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