ニュース 電子 作成日:2025年9月18日_記事番号:T00124209
18日付経済日報によると、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は、南部科学園区(南科、南部サイエンスパーク)の嘉義園区(嘉義県太保市)で建設中の先進パッケージング(封止、アドバンスドパッケージング=AP)工場(AP7)の第2工場(P2)をストップし、調達した設備を米国のアリゾナ工場(Fab21)に使うことを決めたもようだ。設備業者によると、アリゾナ工場で4ナノメートルプロセスで製造した半導体を台湾に送ってパッケージングし、その後、米国に輸入する場合、米国が近く発表するいわゆる半導体関税が課される可能性があるためだ。
TSMCは18日、台湾での投資は継続し、既に発表した投資計画に変更はないと表明した。台湾での投資規模を大幅に縮小するとの見方を否定した格好だ。
TSMCは、南科嘉義園区で先進パッケージング工場2基を建設している。設備業者に対し、当初嘉義第2工場に出荷予定だった設備をアリゾナ州工場向けに切り替えるよう通知があったとされる。嘉義園区では工場4基を増設する構想だが、TSMCのこれまでの発表に含まれていない。
■米国封止工場、来年着工か
トランプ米大統領は8月に、米国に輸入する半導体に対して100%の関税を課す方針だが、米国内に工場を設ける企業は除外するとの考えを示した。TSMCは現在、米国アリゾナ州で半導体製造の第1工場が稼働しており、2基を建設中だ。TSMCは今年3月に、米国で先進製造工場6基、先進封止工場2基、研究開発(R&D)センター1基を建設する計画を発表していたが、自社のパッケージング工場はまだない。
設備業者は、TSMCが来年、アリゾナ州で先進パッケージング工場を着工するとみている。当初の計画では、28年の着工予定だったが、27年下半期(7~12月)か28年初めに量産を早める計画のようだ。
聯合報によると、アリゾナ工場では、チップ・オン・ウエハー・オン・サブストレート(CoWoS、コワース)のチップ・オン・ウエハー(CoW)工程を担い、米アムコー・テクノロジーか矽品精密工業(SPIL)がオン・サブストレート(oS)工程を担う。嘉義第1工場はCoW工程からファンアウト・パネルレベルパッケージング(FOPLP)に変更することを決定しており、嘉義第2工場もFOPLPが中心になる見通しだ。
TSMCがアリゾナ工場の建設を急いでいるのは、トランプ政権が今後も対米投資拡大を求めてくると想定しているためのようだ。設備業者の中には、TSMCが台湾での先進パッケージング投資を縮小し、米国にリソースを集中すると予想する声もある。
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