ニュース その他製造 作成日:2025年11月20日_記事番号:T00125420
AI(人工知能)データセンターなどで電力の使用量が急増する中、公営電力会社の台湾電力(台電、TPC)の曽文生・董事長は19日、世界中で電力需要が高まり、あらゆる電力設備が値上がりしていると指摘した。変圧器の納期は、従来1年~1年半だったのが、現在は2年かかり、米国では5年に長期化したケースもあると語った。重電業界関係者は、大手メーカーの生産能力はいずれも受注が満杯で、大型の重電設備は供給不足が常態化していると指摘した。20日付経済日報が報じた。

重電業界関係者は、世界のインフラ建設やグリーンエネルギーの普及で、変圧器の需要が拡大していたところに、近年のAI発展で、需要が急増したと指摘した。海外の大手メーカーは納期限の延長が相次ぎ、域内メーカーも生産能力が逼迫(ひっぱく)していると説明した。
電力設備のサプライチェーン(供給網)関係者は、かつて変圧器は需要が小さく、部品メーカーの撤退が相次いだが、直近2年で需要が急増し、残った部品メーカーでは需要に対応しきれず、変圧器の納期が延長されていると分析した。
重電業界関係者は、発電所に必要な大型変圧器は「需要が急ぎで、しかも多い」と語った。TPCが現在、台湾メーカーに増産を急がせているが、域内外の顧客からも督促されており、たとえ業界全体で総動員しても、深刻な供給不足のため、今後は値上がりの可能性があると予測した。
■重電各社、増産急ぐ
重電メーカー、華城電機(フォーチュン・エレクトリック)は、桃園市の観音第3工場を拡張中で、年内に完成し、来年から稼働する予定で、生産能力が30%増加すると説明した。華城電機は工場が4基あり、桃園市の中壢工場は小型配電用変圧器、観音第2工場が大型変圧器、観音第3工場が中型変圧器、台中工場が超大型変圧器を生産している。今後は工場間での生産支援や設備の貸し借りなどで柔軟に生産を調整する。
華城電機は、同社の変圧器の納期は2~3年だが、海外の変圧器メーカー大手なら4年かかると説明した。
士林電機廠(士林エレクトリック&エンジニアリング)は、2028年まで受注があり、今後2年は生産能力が満杯だと説明した。
士林電機廠は、受注に対応するため、T3工場を新設し、9月中旬に量産を開始した。主に345キロボルト(kV)の製品を生産する。投資額は12億~13億台湾元(約60億~65億円)。T4工場も26年末に完成する予定で、主に161kVの製品を生産する。投資額は10億~11億元。T3工場とT4工場を合わせて、生産能力は50%増加する。
亜力電機(アリス・エレクトリック)は、フル稼働だ。桃園市楊梅区の変圧器第2工場が完成し、出荷を開始した。TPCの認証が取得できれば、改良型と屋外設置型の変圧器の年間10億~15億元の追加受注が見込まれ、同社全体の生産は10%増えると説明した。
中興電工機(中興電、CHEM)は、今年、嘉義工場の改築が完成したほか、新北市林口区の倉庫の1880坪増設も完了し、生産能力が20%増加したと説明した。来年は自動化溶接とAI搭載の見積もりシステムなども完成する予定で、生産能力が15~20%増加する見通しだ。
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