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第602回 ノベルティ配布と商品表示法の留意点


ニュース 法律 作成日:2026年1月19日_記事番号:T00126438

知っておこう台湾法

第602回 ノベルティ配布と商品表示法の留意点

 台北ゲームショウ、コンピュテックス、漫画博覧会などのイベントにおいて、日系企業がノベルティを配布する際、台湾の商品表示法が適用されるか否かは、実務上の検討事項です。今回は、ノベルティ配布における法的規制の境界線と、必要となる表示事項について説明します。

■ノベルティの配布は贈与か

 「純粋な贈与」か「商業行為」かの判断基準について、台湾の経済部(日本の経済産業省に相当)の見解によれば、ステッカーやクリアファイルのようなノベルティであれば、「文具」に分類され、原則として商品表示法および「文具商品表示基準」に従った表示を行う必要があると解されますが、例外が存在します。

 主管機関の解釈では、企業が「純粋に贈与」する場合、それは商業取引とは見なされず、同法の適用外とされています。

 つまり、イベント会場で誰にでも無償で配布する宣伝品であれば、表示義務は基本的にありません。一方で、「商品を購入したらプレゼント」といった条件付きのノベルティとして配布する場合は、商業行為と認定される可能性が高く、法に基づいた表示が必要となります。

■表示義務がある場合

 表示義務が生じる場合には、商品名、製造者などの名称・住所・電話番号、輸入者などの名称・住所・電話番号、原産地などの情報を繁体字中国語で明記しなければなりません。

 また、消費者保護法による安全表示の義務にも注意が必要です。たとえ無償のノベルティであっても、その材質や形状が「消費者の生命、身体、健康に危害を及ぼすおそれ」がある場合、企業は目立つ位置に警告表示や緊急時の処理方法を記載する義務があります。通常の文具であれば高い危険性は想定されませんが、特殊な接着剤や小さな部品を含む場合は、適切な警告(対象年齢の明記など)を行うことがリスク管理の観点から推奨されます。

 台湾におけるノベルティ配布は、その形式によって必要な対応が異なります。法令違反による過料やブランドイメージの毀損を避けるためにも、配布計画が決定した段階で、表示の要否について事前に専門家に相談することをお勧めします。

 

*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は弊事務所にご相談下さい。

鄭惟駿弁護士

鄭惟駿弁護士

黒田日本外国法事務律師事務所

陽明大学生命科学学部卒業後、台湾企業で特許技術者として特許出願業務に従事した後、行政院原子能委員会核能研究所での勤務を経験。弁護士資格取得後、台湾の法律事務所で研修弁護士として知的財産訴訟業務に携わる。一橋大学国際企業戦略研究科を修了後、2017年より黒田法律事務所にて弁護士として活躍中。

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