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第606回 台湾進出飲食店の食品安全コンプライアンス


ニュース 法律 作成日:2026年2月23日_記事番号:T00126998

知っておこう台湾法

第606回 台湾進出飲食店の食品安全コンプライアンス

 台湾衛生福利部(衛福部)食品薬物管理署(TFDA、食薬署)が、先日、「2025年度特色美食飲食業査察プロジェクト」の結果を公表しました。本査察では、大手日系飲食チェーンを含む複数の事業者が、「食品安全衛生管理法」違反を理由として行政処分を受けています。

 台湾に進出している日系飲食企業にとって、台湾独自の表示規定や衛生基準を正確に理解し、実務に反映させることが重要です。

■食材に関する表示義務

 今回の査察では、メニューにおける「成型肉」の表示不備を理由に処分を受けた企業があります。

 食品安全衛生管理法第25条第2項および関連法令に基づき、成型肉や脂肪注入肉を提供する飲食店は、品名に「成型」等の表示を明記するだけでなく、「加熱調理用」などの注意喚起文言を併せて表示する義務を負っています。

■GHP遵守義務

 一部の事業者では、「食材の床置き」が原因となり、食品良好衛生規範(GHP)に違反すると判断されました。

 同法第8条第1項により、食品業者はGHPを遵守する義務があります。これには、原材料や半製品をパレット等に載せ、床面から一定の高さを確保した状態で保管することが含まれます。

■業者登録と専門資格者の配置

 同法第8条、第12条では、食品業者登録プラットフォームへの登録義務に加え、調理師等の専門資格を有する人員の配置比率についても、法定基準を満たすことが求められています。

 上記のいずれかに違反した場合、過料の対象となるだけでなく、行政処分が公表され、報道等を通じて企業のレピュテーション(評判)が損なわれるおそれがあります。台湾における食品安全査察は非常に細部にまで及び、メニュー上の注意書きの記載漏れや、食材保管時の床面からの高さ不足といった細かな不備が、法的リスクやブランドイメージの毀損につながります。

 日本での運営モデルを台湾に導入する際には、そのまま流用するのではなく、台湾の法規制に適合した独自のチェックリストを構築することが重要です。少しでも懸念がある場合には、台湾現地の専門家に相談することをお勧めします。

 

*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は弊事務所にご相談下さい。

鄭惟駿弁護士

鄭惟駿弁護士

黒田日本外国法事務律師事務所

陽明大学生命科学学部卒業後、台湾企業で特許技術者として特許出願業務に従事した後、行政院原子能委員会核能研究所での勤務を経験。弁護士資格取得後、台湾の法律事務所で研修弁護士として知的財産訴訟業務に携わる。一橋大学国際企業戦略研究科を修了後、2017年より黒田法律事務所にて弁護士として活躍中。

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