ニュース 社会 作成日:2026年7月6日_記事番号:T00129423
11月28日投開票の統一地方選挙と同時に、有権者を対象に政策や法律の是非や賛否を問う住民投票(中国語は公民投票)が最大5件実施される可能性があります。中でも注目を集めているのが、最大野党の国民党が提案した「鞭打ち(むちうち)刑」です。
統一地方選挙、住民投票5件同時実施か
https://www.ys-consulting.com.tw/news/129335.html
■性犯罪・児童虐待・詐欺
むち打ち刑といえば、シンガポールで導入されており、2024年7月に性的暴行で日本人男性(当時38歳)が禁錮17年6月、むち打ち刑20回の有罪判決を受けたことが大きなニュースになりました。
台湾で今回、むち打ち刑を提案した国民党の洪孟楷・立法委員(国会議員に相当)は、性犯罪や児童虐待、高額の詐欺が、性的自己決定権、子どもの生命・身体・人格、財産の安全を著しく侵害し、公共の安全や社会秩序に影響を及ぼし、司法に対する信頼を損なっているためと説明しました。
近年、預けられた1歳男児の虐待死や私立幼稚園での性暴力などの事件が発生し、社会問題となりました。統計によると、詐欺は年間19万8000件発生しており、詐欺で多額の被害が自殺につながるケースも指摘されています。
ベビーシッターが男児虐待死
https://www.ys-consulting.com.tw/news/114214.html
幼稚園児への性暴力、園と加害者名公表
https://www.ys-consulting.com.tw/news/116468.html
25年の死因、自殺が10位
https://www.ys-consulting.com.tw/news/129209.html
■重要犯罪の抑止に重罰を
詐欺被害の防止と被害者救済を目的として2025年3月に設立された台湾民間反詐騙協会が2日発表した世論調査では、深刻な詐欺や児童虐待、性犯罪へのむち打ち刑の導入または検討に賛成するとの回答は84.7%に上りました。一方で、人権や違憲の疑いでむち打ち刑を導入できない場合でも、犯罪抑止効果のある重罰で代替すべきと89.6%が回答しました。
許良源・理事長は、世論調査の結果は重大な犯罪の代償が軽く、司法の抑止力や被害者の保護が不十分だと考える社会の不安を反映していると述べました。
台湾民間反詐騙協会の許・理事長(左3)(中央社)
台湾では日本統治時代に1904年からむち打ち刑がありましたが、1921年に廃止されました。2009年に「自由権規約及び社会権規約施行法」が成立・施行され、世界人権宣言を条約化した国際人権規約の社会権規約、自由権規約が法的拘束力を有しました。自由権規約の第7条に、何人も拷問又は残虐な、非人道的な若しくは品位を傷つける取扱い若しくは刑罰を受けないと定められています。
立法院は3日、むち打ち刑導入の住民投票案を採決し、台湾民衆党は棄権、国民党の賛成52票、民進党の反対49票で、法案は第二読会に付託され、与野党協議に入ることになりました。
青木樹理
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