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第637回 台湾法上の合併


ニュース 法律 作成日:2026年10月12日_記事番号:T00131261

知っておこう台湾法

第637回 台湾法上の合併

 企業間の「合併」とは2社以上の会社が1つの会社に統合されることを指し、合併に参加する1社が存続し、ほかの会社の法人格が消滅するような合併を「吸収合併」といいます。合併により新しい会社が設立され、合併に参加するもとの複数の会社の法人格がすべて消滅する場合は「新設合併」といいます。

 台湾の企業合併・買収法(以下「本法」といいます)では、「合併」について「存続会社もしくは新設会社の株式、またはその他の会社の株式、現金もしくはその他の財産を対価として、本法またはその他の法律の規定に従い、参加する会社が全て消滅し、新たに設立される会社が消滅会社の全ての権利義務を包括承継するか、または参加する会社のうちの1社が存続し、存続会社が消滅会社の全ての権利義務を包括承継する行為を指す」(本法第4条第3号)と定義しています。

■株主総会で承認

 台湾においては、会社間で合併を行う場合、原則として、まず、合併に参加する複数の会社が合併条件について協議を行い、書面の合併契約を作成した上で、株主総会の決議で承認を得る必要があります。合併の決議がなされた後、会社はさらに、債権者に対してそれぞれ通知および公告を行い、債権者に異議申立てのための一定の期間を与えた後で、合併や解散などの関連する会社登記手続きを行う必要があります。

 また、本法第19条第1項によれば、会社がその発行済株式の90%以上を保有する子会社を合併する場合、または会社がそれぞれその発行済株式の90%以上を保有する子会社間で合併を行う場合は、株主総会の決議を経る必要はなく、各会社の取締役会の決議を経ればよいとされており、このような合併は台湾法上「簡易合併」といいます。

■外国企業は許可必要

 合併参加者に日本企業などの外国企業が含まれる場合、上述の企業合併・買収法が定める手続きのほか、原則として経済部投資審議司に許可を申請する必要があり、申請時に、合併契約、合併・買収事項説明書、外国会社の背景資料などの書類を併せて提出する必要があります。

 また、本法第22条第1項に基づき、合併契約は書面で作成し、以下の法定事項を記載する必要があります。

一、合併に参加する会社の名称、資本金および合併後の存続会社または新設会社の名称および資本金。

二、存続会社または新設会社が合併によって発行する当該会社の株式または交付する他の会社の株式の総数、種類および数量または交付する現金もしくはその他の財産の数量。

三、存続会社または新設会社が合併によって消滅会社の株主に対して割り当てる当該会社または他の会社の株式の総数、種類および数量または交付する現金もしくはその他の財産と割当ての方法、割合およびその他の関連事項。

四、法に従い買い戻した存続会社の株式を消滅会社の株主に割り当てることに関する事項。

五、存続会社の定款変更事項、または新設会社が会社法第129条の規定に基づき定めるべき定款。

六、上場(店頭公開)会社の株式交換比率の計算根拠および変更できる条件。

 企業の合併には高度な法律の専門知識と経験が必要になるため、日本企業が合併を計画する場合は、取引計画の初期段階から、日台間クロスボーダーの企業合併・買収の実務経験を有する弁護士に相談することが望ましいです。

 

*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は弊事務所にご相談下さい。

蘇逸修弁護士

蘇逸修弁護士

黒田日本外国法事務律師事務所

台湾大学法律学科、同大学院修士課程法律学科を卒業後、法務部調査局に入局。板橋地方検察署で、検事として犯罪調査課、法廷訴訟課、刑事執行課などの業務を歴任。2011年より黒田法律事務所にて弁護士として活躍中。

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