記事番号:T00111239
第27話 【今回のご質問】
質問:外勤スタッフの勤怠管理をしたいのですが?
回答:はい、お話を聞かせてください。一緒に考えましょう。
このコラムは「DXを始めてみたい方」向けのやさしく現実的な内容です。
現状の問題点
A社の総経理より「営業の外勤スタッフの勤怠管理をしたい」とのお話がありました。
今年の7月に赴任された総経理は本社では営業課長を努めておりましたので、台湾では営業本部長も兼任することになりました。
営業本部長として早々に着目したのは外勤スタッフの営業活動が非効率的という点でした。
例えば1日平均2件の顧客を訪問しているSさんの勤怠簿を見ますと、台北市の士林の自宅から民権西路の顧客へ9:30着で直行します。
総経理いわく「本来は9時着にして貰いたいところだが、多めに見てます」
打ち合わせの後は昼食と次の顧客への移動。次の顧客は南港です。その後18時に退勤を記録して自宅へ直帰しています。
総経理「勤怠簿では南港の顧客への到着時刻はわかりませんが、往復の移動に1時間、打ち合わせに2時間と考えても1~2時間は空白な時間がありそうです」
営業課長にその件を聞くと「訪問の空き時間は電話連絡や訪問準備をしている…」とありきたりの回答。
総経理「1日3~4軒は顧客訪問できるはず。効率よく訪問できていないのです」
見える化
現在の勤怠管理について尋ねると、外勤スタッフはEXCELの勤怠簿へ毎日の出退勤時刻を入力、内勤スタッフはオフィスで紙製のタイムカードへ打刻しています。
ですので、外勤スタッフの出退勤時刻の正確性は言わずと知れています。
外勤スタッフにはスマホから位置情報を付けて打刻させる方法がございます。訪問先顧客への到着時と出発時にも打刻させれば行動が全てトレースできます。
総経理「位置情報で打刻した場所がわかるというわけですね。これは誤魔化せませんな」
位置情報を毎回確認する手間をかけなくても、位置情報を取得していることが不正への抑止力になります。疑わしい時だけ確認すれば良いのです。
総経理「私の理念”正直者が損をしない会社のしくみ”にも合います」
スタッフにとっては監視されるようなものですので、やり始めはするものの、長続きしないことがあります。そこで動機付けやベネフィットも考えてルール化をすると良いです。例えば、日々の訪問件数をグラフ化して営業部内で見えるようにする。或いは外勤スタッフの行動評価と連動させることが考えられます。
宇都宮武則
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