ニュース 法律 作成日:2026年6月8日_記事番号:T00128911
知っておこう台湾法先月22日、司法院(台湾の司法権を統括する機関)で、「少年事件処理法」(中国語:少年事件處理法)一部改正草案が可決されましたので、今回は概要をご紹介したいと思います(草案第65条第2項但書、83条の1ないし83条の5)。
■被害者参加、一部可能に
現行法では少年刑事事件の被害者は、「訴訟参加の申立て、訴訟記録や証拠の閲覧および、意見表明」等(いわゆる、「被害者参加」)ができない旨が明文で規定されています。
しかしながら、被害者の権利保障および、重大犯罪事件における被害者の手続参加ニーズの高まりを踏まえ、今回の改正草案では、①故意の犯罪によって人を死亡させ、又は②重傷を負わせた少年刑事事件については、少年刑事事件であったとしても、被害者参加ができることが盛り込まれました。
加えて、少年の矯正と社会防衛上の必要性との均衡を図るべく、(1)①故意の犯罪によって人を死亡させた者、又は②法定刑の下限が10年以上の有期懲役である罪を犯し、かつ10年以上の有期懲役の言渡しを受けた者については、刑期の2分の1を経過したとき、⑵前記⑴以外の有期懲役の言渡しを受けた者については、刑期の3分の1を経過したときに、仮釈放することができる旨が新たに規定されています。
この他にも、一例として、少年が戒告または保護観察の宣告を受けた場合であって、その執行が終了した日の翌日から起算して1年以内に、故意に刑罰法令に違反したことを原因として再び保護処分又は刑の宣告を受けなかった場合には、当該宣告を受けなかったものとみなされ、かつ、少年が満21歳に達した時点で、前科記録および関連資料が抹消されることが盛り込まれました。
今回可決された改正草案は今後、立法院に送付され、審議される見込みです。法改正の実現まではなお一定の期間を要すると考えられますが、台湾の少年司法制度が、社会情勢の変化を踏まえつつ新たな均衡点を模索する動きとして注目されます。
*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は弊事務所にご相談下さい。
秋口麻貴弁護士
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