ニュース 社会 作成日:2026年4月13日_記事番号:T00127863
ワイズニュースこぼれ話台湾を訪れた日本人が驚くのが、他の海外諸国と比べ、街並みが清潔なことです。「台湾の人はマナーがいいから道路にゴミを捨てたりしないのですね」という声を聞くたびに、早朝出勤でよく目にする、路上清掃車(ロードスイーパー)や、行政の清掃員の姿を思い出していました。こうした毎日のリセットとともに、街頭に設置された監視カメラが街を清潔に保っていると考えていましたが、近年、この監視カメラがAI(人工知能)活用でパワーアップしています。
■AIと市民が監視
桃園市は2023年から、AI環境汚染識別システムを導入しました。「人間がごみをポイ捨てしている」という特定の動作を自動判別します。システムの識別精度は80%以上で、取り締まり効率は55%向上し、市民の苦情は半減しました。
彰化県でも、AI監視カメラ10台を毎年違う場所に設置し、2023~25年の3年でポイ捨てを累計4615件摘発しました。
不法投棄は、廃棄物清理法に基づき、過料1200~6000台湾元(約6000~3万円)が科されます。
AIカメラの死角を補完するのが、市民の通報に対する奨励金制度です。ドライブレコーダー映像等で違反を当局に通報すれば、過料の一部が報奨金として支払われます。
こうした仕組みは、「どこで誰が見ているか分からない」という心理的抑止力を生んでいます。
■世間の目より罰金?
日本のように、世間の目や教育の力、良心に訴えるのでなく、監視カメラや罰金で管理するなんてと、当初は違和感を感じていましたが、長年台湾で暮らすうちに、効果を感じるようになりました。
桃園市のAI環境汚染監視システム(桃園市政府リリースより)
都市交通システム(MRT)では、飲食禁止を守らないと最高7500元の罰金を科すことで、誰もルールを遵守し、清潔な構内を保っています。道路同様、「きれいな場所は汚しにくい」という心理的効果が働き、公共の場も清潔に保つ意識が高まるという好循環が生まれます。
最高1000万元の当選金が出る「レシートくじ」で脱税を防いだり、新型コロナウイルス感染者の外出禁止やマスク着用義務を高額の過料で徹底したり、最近では、横断歩道での歩行者優先を過料の引き上げで浸透させたりといった事例もあります。
台湾が得意なテクノロジーと、人の損得勘定を社会善へとつなげる仕組み、公平さを保つルールの可視化が台湾の秩序を支えていると感じています。
青木樹理
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