ニュース 法律 作成日:2026年4月27日_記事番号:T00128123
知っておこう台湾法台湾で事業を展開する日系企業の皆様にとって、現地で契約解除や督促、労使関係の意思表示を書面(書留郵便)で行う機会はあります。しかし、相手方が「受け取っていない」「管理室から渡されていない」と主張した場合、その通知は法的に有効なのでしょうか。
■民法は「到達主義」
台湾民法第95条第1項は、対話によらない意思表示について「通知が相手方に到達した時に効力を生ずる」とする到達主義を採用しています。ここでの「到達」とは、相手が内容を了知することまでを指すのではなく、「意思表示が相手方の支配範囲に入り、相手方がいつでも内容を知り得る客観的な状態に置かれること」を意味します。これは、効力の発生が受領拒否などによって左右されるのを防ぐためです。
■不在連絡票の投函時に効力
最高裁判所109年度(2020年度)台上大字第908号民事決定によれば、書留郵便が不在で届けられず、郵便局が「不在連絡票」を残した場合、以下の基準で効力が発生します。
効力発生のタイミングについては、郵便局員が不在連絡票を住所地に残した時点となります。この時点で意思表示は相手方の支配範囲に入ったと見なされます。実際の受領の要否について、相手方が実際に郵便局へ出向き、郵便物を受け取ったかどうかは問われません。返送後の効力について、保管期間経過後に郵便物が差出人に返送されたとしても、不在連絡票が適切に届けられていれば、通知の効力は失われません。ただし、相手方が「客観的に受け取ることが不可能な正当な事由(長期入院や海外出張など)」を証明した場合には、例外的に効力が否定されます。
以上によりますと、実務においては、通知を送る側は郵便局の追跡記録を保管し、不在連絡票の投函日を証跡として残すことが肝要です。一方で通知を受ける側としては、不在連絡票の放置は法的リスクを伴うため、社内での受領管理フローを改めて徹底する必要があります。
懸念事項がある場合は、事態が深刻化する前に現地の専門家へ相談することをお勧めします。
*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は弊事務所にご相談下さい。
鄭惟駿弁護士
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