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第87回 疑わしきは撤去、食の安全への執念と代償


ニュース 社会 作成日:2026年7月20日_記事番号:T00129697

ワイズニュースこぼれ話

第87回 疑わしきは撤去、食の安全への執念と代償

 中聯油脂(セントラル・ユニオン・オイル、CUOC)が4月4日に生産した大豆サラダ油から、基準値を超える発がん性物質のベンゾピレンが検出されたことが6月30日にやっと報告され、衛生福利部(衛福部)食品薬物管理署(TFDA、食薬署)は7月9日、▽中聯油脂が4~6月に生産した全ての油脂製品、▽これらを原料とした食用油、▽これらの食用油を使用した製品──を全て店頭から撤去するよう命じる厳しい措置を取りました。

 問題があった油7ロット8500トンの回収率は3割にとどまっており、残る油の相当量が既に加工や調理に使用された可能性があります。食薬署は、検査の結果が20日にも出る予定で、原料と製品を照合して、いずれも安全性が確認された場合のみ、販売再開を認めます。

 中聯油脂は正直あまり聞かないメーカーでしたが、▽泰山企業、▽福寿実業、▽福懋油脂(フォルモサ・オイルシード・プロセッシング、FOPCO)──という有名な食用油メーカーの合弁会社で、これら3社は小売も業務用も幅広く扱っています。出荷先や使用製品は、台湾を代表する食品メーカーや飲食店、コンビニエンスストアなどが含まれ、回収や販売停止などの影響は1300社以上に広がりました。

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 食薬署は連日、回収対象製品リストを更新しており、消費者が自宅にある購入済みの商品も確認できます。対象は、日持ちのする調合油やドレッシングだけでなく、おにぎりや弁当なども含まれます。販売停止や廃棄、返金対応で川下の企業にも多大な負担を強いてでも、安全性が確認できていない製品を撤去し、消費者が店頭で購入したり、飲食店で口にするリスクを抑えました。

食薬署の回収対象製品リスト

https://www.fda.gov.tw/EdibleOilOperator/index.aspx

■12年前の苦い教訓

 11月28日に投開票の統一地方選挙を控え、責任の所在や業者の負担をめぐって与野党の応酬が続いています。

 2014年に発覚した頂新国際集団(頂新グループ)の不正食用油事件が脳裏に浮かびました。当時、返品や不買運動、台湾グルメへの不安感が広がりました。

 今回の問題は、企業の報告遅れが被害を拡大させ、1300社を超える業者を巻き込む結果となりました。こうした教訓を踏まえ、行政院は、企業の自主検査を徹底し、報告遅れや隠蔽を防ぐ食品安全衛生管理法の改正を予定しています。

青木樹理

青木樹理

ワイズメディア

日本、台湾での金融機関勤務を経て、ワイズニュース創刊年の2007年に入社。副編集長を経て20年より編集長。台湾経済・産業の動向を分かりやすくお伝えするため、台湾社会をウオッチしながら生活しています。

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