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第84回 競合より少子化が脅威、AI時代の人口減少問題


ニュース 社会 作成日:2026年6月8日_記事番号:T00128912

ワイズニュースこぼれ話

第84回 競合より少子化が脅威、AI時代の人口減少問題

 AI(人工知能)半導体を支えるファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の魏哲家(シーシー・ウェイ)董事長が4日の株主総会で、競合など怖くない、競合への懸念よりも台湾の少子化問題の方が心配だと話しました。

/date/2026/06/08/01TSMC_2.jpgTSMCの魏・董事長。企業1社の取り組みだけでは人口減少を止められないという危機感がうかがえる(中央社)

TSMCがAI楽観、30年まで需要見通し

https://www.ys-consulting.com.tw/news/128888.html

■社会全体で家庭をサポート

 日本同様、台湾も人口減少の一途を辿り、総人口は28カ月連続で減少しています。一時は「台湾の未来は台湾人2350万人が決める」と言っていましたが、また総人口2300万人に近づいています。

https://www.ys-consulting.com.tw/news/128373.html

 就任2周年の折り返しを迎えた頼清徳・総統は先月、少子化対策の18項目を打ち出しました。目玉となる「成長補助金(児童手当)」では、生まれてから18歳で成人するまで、月5000台湾元を支給します。7歳以降は半額を専用口座に積み立て、定期預金2年物の利率以上を保証するというもの。現金バラマキより投資が大好きな国民性に響く仕組みで、「国家からの成人祝い」となります。

/date/2026/06/08/20lai_2.jpg頼・総統は、子育ての責任を格上げし、国家や社会、企業が共同で分担することで、仕事と家庭を両立できるようにすると表明しました(総統府)

 このほか、出産休暇や育児休職などの期間を延長したり、従業員が制度を利用した企業に補助金を支給するなど、労使の両面を支え、利用しやすくします。

 これらの予算は年間3800億元と、域内総生産(GDP)の1%に相当する見込みで、まさに本気の政策です。

少子化対策に本腰、18歳まで月5000元

https://www.ys-consulting.com.tw/news/128721.html

■AI特需で人手不足深刻化

 ChatGPT(チャットGPT)が2022年11月にリリースされてから早3年半、TSMCの魏・董事長は、これほどのAI発展は予想だにせず、グラフィックスプロセッサー(GPU)大手の米エヌビディアのジェンスン・フアン(黄仁勲)最高経営責任者(CEO)でさえ分からなかったと話しました。

 AIで仕事がなくなるどころか、AIトレンドで半導体やサーバー産業は増産に追われています。魏・董事長は、このまま出生率が低迷すれば、エンジニアや技術者だけでなく、飲食店やサービス業など社会全体で人手不足が深刻化すると警鐘を鳴らしました。

青木樹理

青木樹理

ワイズメディア

日本、台湾での金融機関勤務を経て、ワイズニュース創刊年の2007年に入社。副編集長を経て20年より編集長。台湾経済・産業の動向を分かりやすくお伝えするため、台湾社会をウオッチしながら生活しています。

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