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【ワイズリサーチ】太陽光発電装置メーカー、養殖漁業とのソーラーシェアリング市場に注力


リサーチ 台湾事情 作成日:2022年5月19日

機械業界 エネルギー

【ワイズリサーチ】太陽光発電装置メーカー、養殖漁業とのソーラーシェアリング市場に注力

記事番号:T00102610

漁業とのソーラーシェアリング 台湾の太陽光発電産業の次の市場になるか
 地球温暖化、世界サプライチェーンの脱炭素需要への対策として、温室効果ガスの排出削減と環境の持続可能な発展は各国共通の目標となっている。台湾政府もエネルギー構造の転換推進に注力しており、2025年までに再生可能エネルギーによる発電を全体の20%、そのうち約70%を太陽光発電でまかなう計画だ。
 また、台湾は国土面積が狭いため、政府は「漁電共生」をスローガンに、養殖漁業と太陽光発電を結合させたソーラーシェアリングを推進し、土地利用の最大化を狙う。ソーラーシェアリングの導入面積は1万ヘクタール、設備容量は4ギガワット(GW)に達する見通しだ。このことから、台湾の太陽光発電において、漁電共生によるソーラーシェアリングは屋上型、地面型の太陽光発電に続く、再生可能エネルギー商機となるだろう。
 政府の方針に合わせて、太陽光発電装置メーカーは屋外・室内養殖漁業の市場開拓に力を入れ、業者と共同で養殖施設の運営を開始した。2022~23年にかけて複数のソーラーシェアリング施設が電力網に接続される予定だ。

太陽光発電装置メーカー ソーラーシェアリング向けプロジェクトを推進
聯合再生能源(URE)と茂迪(モテック・インダストリーズ)
 聯合再生能源(ユナイテッド・リニューアブル・エナジー、URE)と茂迪(モテック・インダストリーズ)は今年、太陽光発電所業務への参入を発表している。このうち、UREは設備容量100メガワット(MW)の漁業とのソーラーシェアリングを、地盤沈下地区と農作不適地で同200MWの太陽光発電所を設置する方針だ。
 モテックはソーラーシェアリングが22年の経営重点施策の1つとなっており、21年にはソーラーシェアリングで設備容量約30MWが送電網に接続された。建設中のソーラーシェアリング施設の設備容量30MWで、22年中には、累計設備容量が70〜80MWに達する見通しだ。また、同社は養殖漁業にも着手しており、種苗の育成から飼料、養殖、加工、販売ルートまで一通りの展開を行っている。ただし、室内の大規模養殖の経験が不足しているため、現在は室内養殖施設をレンタルしてノウハウの蓄積を図っている。なお、同社が台東で投資した水産物加工工場は稼働を開始した。

安集科技(アンジーテクノロジー)
 同業の安集科技(アンジーテクノロジー)は雲林県でエビ養殖業者とソーラーシェアリング施設を共同運営する。同社が室内養殖施設と屋上型太陽光発電施設を建設し、施設をエビ養殖業者にレンタルする計画だ。また同社によるとソーラーシェアリング施設の運営は養殖水産物の生存率を維持しなければならず、通常の太陽光発電施設の運営より困難度が高いため、経験・ノウハウを蓄積中だという。

雲豹能源(J&V ENERGY )
 雲豹能源は2018年からソーラーシェアリング事業に参入しており、関連法律規定と支援措置に詳しいため、商機の早期獲得に繋がった。例えば、台南市北門区におけるソーラーシェアリング施設は21年11月より着工し、22年末には完工して電力網に接続する見込みだ。同施設の設備容量123.08MWに達し、うち10MWはグーグルが購入しており、グーグルがアジアで再生可能エネルギー購入を決めた初のケースとなった。また同時に台湾初の再生可能エネルギー購入協議だった。

泓徳能源科技(HDRE)
 泓徳能源科技(HDRE)は嘉義県布袋鎮、義竹郷の近隣地区の養殖用地をまとめ、合計300ヘクタール超の養魚池に設備容量250MWのソーラーシェアリング施設を設置する方針だ。これは台湾最大規模のソーラーシェアリング施設の建設・運営ケースとなる。また、同社は専門の養殖チームを立ち上げて、会社で養殖施設を経営する計画だ。

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