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【ワイズリサーチ】台湾機械産業2024年の見通し


リサーチ 経営 マーケティング 作成日:2023年11月30日

機械業界 工作機械・産業機械

【ワイズリサーチ】台湾機械産業2024年の見通し

記事番号:T00112418

台湾機械設備産業の24年生産額は前年比4.9%増予測、在庫水準回復および企業の投資意欲増で
 2024年は製造業が在庫を正常水準に戻すほか、企業の省エネ設備に対する投資意欲増加によって民間投資がプラス転換する見通しで、2024年の台湾機械設備産業の生産額は23年比4.9%増加すると予測される。
 工作機械分野では、全世界的に進む製造業の在庫消化が23年第4四半期(10~12月)には一服しそうだ。また電子新製品とAI関連の発展により、24年の受注状況は四半期ごとに回復し、通年の工作機械生産額は前年比5%増の829億台湾元になると予測される。台湾国内市場方面は経済の疲弊により需要が落ち込んだため、23年の工作機械生産額は前年比で低迷しているが、同年第2四半期以降、特定の国向け輸出額が底打ちしたため、24年の工作機械生産額は前年比2%増の1185億元になる見通しだ。
 半導体分野における台湾製設備は、前工程大手が受託生産するモジュールと従来型の封止プロセスが主力だ。しかし、前工程部品はEUV(極端紫外線)、ALD(原子層堆積法)、ALE(原子層エッチング)といった新技術に伴って変化しており、EUVならフォトマスク、フォトレジスト、検査分野での商機が見込める。このほか、複数の異なる機能の半導体チップを同じパッケージに収めるヘテロジニアス・インテグレーション(HI、異種統合、異種チップ集積)や3次元IC(3DIC)と言った先進パッケージング向け設備が大幅に伸びており、ここ3年で最大の成長分野となっている。台湾設備メーカーはこの分野で優位性があり市場を先取りしている。先進パッケージング設備は台湾設備産業にとって獲得すべき重要な発展分野だ。
 産業用ロボット分野では、上位4社が世界シェア5割以上だ。なかでも日本ブランドが半数以上を占めており大手が有利な状態となっている。台湾製造業は欧州や日本からロボットを導入しているものの、直交座標ロボットとスマート型リニアスライダーについては台湾が重要な役割を担っている。 





2022年の世界工作機械生産額3%増、電動車・再エネ・航空宇宙・半導体分野は工作機械の新応用市場
 2022年通年の工作機械産業の生産額は877億米ドルで、前年比3%増だった。各国で新型コロナ感染対策の緩和を受けて経済が再始動し、製造業の生産と投資活動が活発となって工作機械需要が拡大した。しかし、下半期は中国がロックダウンを含むゼロコロナ政策を続けたことや、ロシアによるウクライナ侵攻が長期化したことなどを受けて工作機械の需要が弱まった。工作機械の主要消費国は▽中国▽米国▽イタリア▽ドイツ▽日本だ。
 工作機械の新しい応用分野は、▽電動車▽再生エネルギー▽航空宇宙▽半導体で拡大しており、電動車市場の拡大は工作機械産業にとって転機であり商機だ。電動車向け部品や動力系のモーター/ケース、バッテリーコア/モジュール/トレイだけでなく、ギア、ドライブシャフト、ギアボックスケース、インバーターケースなどが恩恵を受ける。再生エネルギー分野では洋上風力発電が風向の安定性、風力の強さ、社会生活への影響の低さから主力となっており、▽ハブ▽増減速機▽ベアリング▽トルクアーム▽ギアボックスと言った製品だ。航空宇宙分野では巨大な構造部品や実装空間に制約のある立体的な複雑形状の部品が多く、専用の工作機械が求められる。そのため台湾工作機械メーカーはそのサプライチェーンへの参入を通じたシェア獲得を狙っている。また市販の加工プログラムがカバーしていない▽生産効率の向上▽座標計測▽加工データの収集といった部分もフォローする必要がある。動力系の▽バルブブロック▽エンジンカバー▽コンプレッサー▽ギアボックス▽エンジン部品といった部品や、機体構造部品の▽ランディングギア▽機体▽主翼▽尾翼▽補助翼などでも需要が見込める。 

2023年半導体設備投資が減少、SiC8インチエピタキシャル成長設備を大手が採用 
 世界経済の成長力鈍化に伴いシリコンウエハーの在庫がだぶつき、半導体メーカーは投資を緩めた。しかし、半導体業界では従来のシリコン材料から炭化ケイ素(SiC)材料への転換が起きており、8インチのエピタキシャル成長設備がトップメーカーの生産ラインに採用されている。これは台湾がサプライチェーンにおいて重要な役割を担うチャンスだ。政府は産学研究との連携を加速させ、新材料や技術の商業化へのサイクルをさらに短縮化を図ると同時に補助や政策面でのサポートを続けていくべきだろう。
 SiC半導体を使ったワイドギャップ半導体材料は高性能で、発展可能性など多方面から見て強烈なオリジナリティや潜在能力があり、高い市場需要が見込める。採用部品はパワーエレメント、電動車、エネルギー、サーバー、消費性電子製品などさまざまな市場で広範な需要があるが、コストや製造プロセス技術では克服すべき課題も依然として存在している。 

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