【ワイズリサーチ】2012年
世界三大産業/製品-ボールねじ


リサーチ 経営 台湾事情 作成日:2013年8月1日

機械業界 金属

【ワイズリサーチ】2012年
世界三大産業/製品-ボールねじ

記事番号:T00062458

一、製品の定義と範囲

 ボールねじ(Ball screw)は、ねじ軸とナットの間にボールを入れて転動させ、ねじ軸における直線運動を回転運動に転換させる機械要素部品である。

 運動用送りねじ(Power screw)とボールねじ(Ball screw)はよく使用されている二つのねじ軸である。どちらもねじのピッチで力を伝達する設計となっており、ねじ軸の回転から直線運動を生じさせる。 両者の最大の違いは、ボールねじは力の伝達効率を向上させるため、摩擦を従来の滑りから転がりへ変更している点である。

二、世界三大メーカー直近三年間のランキングと変化

 ボールねじの大手メーカーには、日本のTHK、NSK、IKO、NB、TSUBAKI、UNION、不二越、ドイツのSTAR、INA、NEFF、米国のTHOMSON及びスイスのSCHNEEBERGER(シュネーベルガー)などがある。2011年におけるボールねじ世界シェアに関しては、50〜60%のシェアを占める日本THKが一位であり、日本NSKが二位、そして5〜10%のシェアを占める台湾上銀は三位であった。推測によると、海外生産を除いた台湾のボールねじ生産額は、シェアの17%を占める258.8百万米ドルであり、海外生産を含めると587.9百万米ドルに達し、これはシェア全体の31%を占めるということだ。


 

三、台湾の産業概況

 ボールねじ業界における、台湾の主要企業は上銀科技、全球伝動科技、銀泰科技、律廷科技の四社が挙げられる。この四社はボール/ねじ軸、リニアスライドなどの伝動部品を生産しており、その生産額は全体の90%以上にのぼっている。平均粗利益は30%に達し、開発費用は営業額の5〜10%を占める。メーカーの話によると、ボールねじの原料は従来、海外から調達する必要があったが、中鋼はすでに原料に対する国内需要の60〜70%を満たせるようになっている。ボールねじは国内外のバイオ医療機器、半導体、IT産業、自動化産業、グリーンエネルギー産業及び精密工作機械などに広く応用されている。上銀を例にすると、大型顧客にはマザック、牧野、アマダ、ASMなどが挙げられる。50%以上のメーカーが海外投資を行っており、上銀はドイツと日本にR&Dセンターを設立した。その国内外の開発技術者は既に200人を超しており、日本、ドイツ、アメリカにも支社や工場も設置している。その他、銀泰科技は中国に工場を開設している。



四、主要競争国及び企業の概況

 ボールねじの技術発展に関しては、日本、アメリカ、ドイツ、スイスなどの先進国が完全に技術力の点でリードを保っており、それら製品も世界中で販売が行われている。知名度の高いメーカーには日本のTHK、NSK、IKO、NB、TSUBAKI、UNION、不二越、ドイツのSTAR、INA、NEFF、米国のTHOMSON及びスイスのSCHNEEBERGER(シュネーベルガー)などがあり、それらの製品には二種の区分方法がある。一つは普通級、精密級、超精密級、クリーンルーム専用級などといった製品の精密度で区分する方法であり、もう一つは標準リード、大リード、超大リード、 二条ピッチ、四条ピッチ、八条ピッチなどリードで区分する方法である。更にこれらの区分は予圧、無予圧及び他のロールナット式ボールねじなどと組み合わせ使用される。日本には、既にボールねじ、ヘッドストック、テールストック、リニアレール及び固定台を組み合わせた一軸性スライドステージや、X軸とY軸があるスライドステージがあり、更に様々な用途に対応すべく、駆動モータと組み合わせた省スペース型モータースライドベースさえ開発されている。近年では、半導体業界とナノ技術の急速な発展や産業のニーズに対応するため、ボールねじの関連技術は徐々に超精密、超高速とクリーンルーム専用へ向かう傾向にある。

 ボールねじを生産する律廷科技、上銀科技、台湾ボール工業、銀泰科技などの台湾メーカーは、ボールねじ駆動の定位精度を2μm/300mm(ミッドエンド工作機械の許容値は20μm/300 mm以下、JIS-B6,300)とし、最小供給移動量も0.1~0.2μmを達成した。しかし、海外の技術力は1μm/300 mm以下をも到達可能としており、精密級に到達した台湾の製品は、工作機械メーカーや自動化機器メーカーによって大量に使用されているとは言えども、その種類は少なく、注文生産への支援は未だ不足している状態である。一軸性スライドステージ、二軸性スライドステージやモータースライドベースなどの統合性のある製品ラインアップも欠如していると言える。


 

五、産業発展傾向

 2011年における世界ボールねじ生産額は約17.9億米ドルであり、2010年の14.8億米ドルに比べ、約21%の成長を見せた。この現象の背景には、金融危機からの景気回復の影響がある。2012年におけるボールねじの市場は欧米の経済不振の影響を受け、生産額は若干低下の16.4億米ドルになると予測されている。

 科学技術の急速な発展に伴い、ボールねじの各部品も特殊使用環境のニーズに応ずるべく、高剛性、高精度、耐摩耗性、低発塵、無潤滑及び高真空環境での使用が可能といった特性を備えることが求められるようになった。今後、関連技術は超精密、超高速、およびクリーンルーム専用の方向へと発展していくだろう。

 

機械業界-金属

2週間無料モニター募集中!

情報セキュリティ資格を取得しています

台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。