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【ワイズリサーチ】2013年産業機械業界の動向


リサーチ 経営 台湾事情 作成日:2014年1月23日

機械業界 工作機械・産業機械

【ワイズリサーチ】2013年産業機械業界の動向

記事番号:T00062567

一.概況

 台湾産業機械業界の2013年上半期生産額は、国内従来型製造業界における設備調達意欲の低下、および中国の輸入代替政策を受け、前年同期比3.78%減の950億1,000万台湾元にとどまった。また当産業の同期輸出額は、中国における台湾調達減少、東南アジア諸国連合(ASEAN)経済の成長鈍化による需要減、および円安を受けたASEAN諸国による台湾から日本への調達切り替えなどが要因となり、同7.08%減少(859億4,600万台湾元)した。一方、同期輸入額は、大手半導体メーカーが設備投資を拡大したこと、および同業界では設備の輸入依存度が高いことから、同13.86%増の2,374億7,600万台湾元となった(図1参照)。

 なお国内製造業者の多くが依然、設備投資に消極姿勢を示していること、および中国、ASEAN諸国からの需要が低迷する中、台湾産業機械業界では13年下半期の生産額、輸出額もマイナス成長が続いたとみられる。ただ、輸入額は半導体メーカーが引き続き設備投資を拡大したため、プラス成長を維持したと予測される。

 13年通年では国内従来型製造業における設備投資意欲の低下および海外における需要低迷を受けて生産額、輸出額とも前年比マイナスに落ち込んだとみられるが、輸入額は半導体メーカーの設備投資拡大を受けてプラス成長を達成したと見込まれる。

二.生産額分析

 台湾産業機械業界の2013年上半期生産額を分野別に見ると、川下製造業の多くで設備投資意欲が低迷した影響で全面的にマイナス成長に陥った。また「農業・林業用機械製造業」、「採鉱・建設用機械製造業」、「食品・飲料・たばこ生産用機械製造業」、「化学工業機械製造業」はマイナス幅が1割を超えた。特に「化学工業機械製造業」は、10年以降成長が続き基準となる前年同期の数値が高かったこと、および13年上半期は国内石油・化学業界が業績不振に陥り、設備投資予算を縮小したため、同期生産額は83億3,100万台湾元と前年同期比17.59%のマイナスを記録した。

 また、「紡織・アパレル・皮革製品生産用機械製造業」「ゴム・プラスチック加工用機械製造業」、「未分類その他専用機械製造業」の生産額もマイナス成長を記録。「木工機械製造業」および「電子・半導体生産用機械製造業」のみプラス成長を達成した。(表1参照)。



三.輸出額分析

 台湾産業機械業界において13年上半期輸出額が100億台湾元を上回った「紡織・アパレル・皮革製品生産用機械製造業」、「ゴム・プラスチック加工用機械製造業」、「電子・半導体生産用機械製造業」、「未分類その他専用機械製造業」のうち、「未分類その他専用機械製造業」の前年同期比減少幅が最大で、「電子・半導体生産用機械製造業」も中国における需要低下および米国を含む北米からの受注減が影響し、前年同期比10.84%減の175億3,600万台湾元にとどまった。
 また、「農業・林業用機械製造業」、「採鉱・建設用機械製造業」、「木工機械製造業」、「化学工業機械製造業」も同期はマイナス成長となり、「食品・飲料・たばこ生産用機械製造業」のみ同0.50%増の小幅成長を見せた(表2参照)。

 当産業の13年上半期輸出額を主要輸出相手国別に見ると、中国、米国、インドネシア、ベトナム、タイが上位5カ国となっており、その合計は輸出額全体の63.80%を占めた。ただ、中国への輸出は同国が機械設備の輸入代替政策をとっている影響で、12年輸出額が前年比10.43%減、13年上半期が前年同期比4.80%減とマイナス成長が続いている。また、ASEAN諸国は経済成長が鈍化しているほか、円安が同地域における台湾メーカーの競争力低下につながり、13年上半期の輸出額は▽インドネシア、10.46%減▽ベトナム2.40%減▽タイ、12.52%減——といずれもマイナス成長を記録した。一方、米国への同期輸出は、同国の景気好転による設備関連支出増の恩恵を受け、プラス成長を維持した。

 全体的にみると、台湾の産業機械業界にとってアジア市場が主な輸出先となっているが、アジアの多くの国で経済成長が鈍化しているため、当産業の13年上半期アジア向け輸出額は前年同期比7.74%減少し、輸出額全体に占めるアジア向け比率も71.63%に縮小した(表3参照)。


四.輸入額分析

 台湾産業機械業界における輸出額が最大の分野は「電子・半導体生産用機械製造業」であり、その主な要因は我が国の電子産業における投資規模が他の産業を遥かに上回っており、かつ関連設備調達を輸入に頼っているという現状がある。このため半導体メーカーが設備投資を拡大した恩恵を受け、「電子・半導体生産用機械製造業」の2013年上半期輸入額は前年同期比16.41%増の1,947億8,800万台湾元に上った。また、「農業・林業用機械製造業」および「化学工業機械製造業」の輸入額も力強い成長を見せた。

 一方、輸入規模2位の「未分類その他専用機械製造業」は内需の不振に影響を受け、前年同期比10.46%減の158億8,200万台湾元に落ち込んだほか、「採鉱・建設用機械製造業」(同7.87%減)、「食品・飲料・たばこ生産用機械製造業」(同6.08%減)、「紡織・アパレル・皮革製品生産用機械製造業」(同21.22%減)、「ゴム・プラスチック加工用機械製造業」(同9.88%減)——といった分野も軒並みマイナス成長となった(表4参照)。

 当産業の13年上半期輸入額を輸入先別に見ると、日本および米国が主な輸入相手国となっている(表5参照)。これは台湾の半導体業者と液晶パネルメーカーにおいては日本と米国からの設備調達比重が比較的高いためである。なお、日本からは液晶パネル生産用設備、米国からは半導体生産用設備の調達が中心となっている。

 このため台湾の半導体メーカーによる設備投資の拡大を受け、13年上半期の米国からの輸入額は前年同期比26.66%の大幅成長を記録した。また半導体生産用設備需要増、台湾パネルメーカーの経営好転による黒字転換および超高解像度4K2K技術への注力、円安による調達増といった要因により、日本からの同期輸入額も同2.31%の増加を見せた。このほか、▽オランダ、30.48%増▽シンガポール、8.68%増▽中国(香港を含む)、13.10%増——といった国からの輸入も成長が見られた。

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