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【ワイズリサーチ】台湾金属加工機械業界の運営・投資概況


リサーチ 経営 台湾事情 作成日:2014年3月27日

機械業界 金属

【ワイズリサーチ】台湾金属加工機械業界の運営・投資概況

記事番号:T00062603

一.市場概況

 日本の通貨急落および中国の代替政策の影響を受け、台湾の経済成長は予想を下回り、台湾金属加工機械業界の売上高は2013年第4四半期まで連続一年間に亘って後退し、そのうちボール盤とフライス盤、及び表面処理装置の売上高は3割以上も下落し、NC旋盤と未分類その他の加工機械・部品の売上高も1割以上減少した。ただ、円安ショックの緩和と中国需要の回復により、2014年第1四半期に当業界の生産額と売上高は好転する見通しである。

 13年Q4の輸出入に関して、当業界の輸入額は12年同期比7.95%減の73.89億台湾元、輸出額は同6.12%減の358.68億台湾元に縮小した。詳しく説明すると、輸入額に関しては「金属切削工作機械業界」だけが伸びて、「冶金機械業界」と「未分類その他の金属加工機械業界」は前年同期より衰退した。そして、輸出額に関しては、「冶金機械業界」だけが小幅に成長し、「金属切削工作機械業界」と「未分類その他の金属加工機械業界」は共に落ち込んだ。

 14年Q1には、経済の好調見通しによって国内企業の投資意欲が押し上げられ当業界の輸入額は成長すると見られ、そして13年Q4の受注は14年Q1に出荷されるため、輸出額も衰退から抜き出すと見られている。


二.企業の運営概況

 2013年、日本の通貨急落および中国の代替政策は台湾金属加工機械業界に影響を与えて、うちに亜ウェイ(山の下に威)機電、喬福機械工業、程泰機械、福裕事業の四社は連結売上高が著しく低下し、更には前3四半期の当期純利益も下落し、福裕事業に至っては赤字に転落した。

 それに対して、高鋒工業、東台精機、協易機械工業、瀧澤科技の営業利益は成長を記録し、中大型機種の売上好調により粗利益率が著しく上昇した。うちに高鋒工業は製品の多様化と技術力の向上を図って、日本企業と連携して大型CNC機種を開発しているほか、自動車部品の受注も増加して、連結売上高が35.94%増の20.20億台湾元、当期純利益は340.01%増と急成長を遂げた。並びに、協易機械工業は米国自動車産業による中大型機種の需要増により、連結売上高が19.08%増となる40.88億台湾元に増加し、東台精機と瀧澤科技の連結売上高もそれぞれ6.38%増と3.99%増に伸びた。

 13年Q4における台湾工作機械業界の景気好転を受けて受注も回復しているため、14年1月には前年同期比小幅減となった亜ウェイ機電を除き、東台精機と瀧澤科技をはじめとする全ての業者の連結売上高が増加し、高鋒工業と協易機械工業は2割超える成長率となった(表1参照)。


三.企業の投資概況

 景気の好転に伴い、企業の投資意欲も高まり、2014年台湾工作機械業界の投資規模は拡大し、競争力もさらに向上するものと見られている。14年に工場の新設を計画している会社は、上銀科技、程泰機械、東台精機、高鋒工業、主新徳科技、台中精機などがあり、その投入金額は200億台湾元と予想され、そのうち程泰機械の投資金額は50億台湾元にも上るとみられる(表2参照)。

四.業界動向

 13年を上回る勢いの14年の世界経済成長は、製造業の投資意欲と当業界に対する需要を押し上げると思われ、米国の自動車/航空宇宙産業の成長も、台湾工作機械業界の中大型機械の開発に好影響を与える。

 なお、機械業界における中国の輸入代替政策は台湾工作機械業界の中国進出に不利に働いているが、メーカーはそれに逆行して投資規模を拡大し、ハイエンンド機種を開発している。また、円安ショックの影響も薄れつつあり、世界経済の回復および市場需要の需要により、台湾工作機械業界の14年輸出額は成長見込みである。

 国内市場に関して、製造業の投資拡大は内需を引き上げ、産業の高度化を図る台湾工作機械業界は、コストパフォーマンスに優れる5軸加工機械を開発したため、国内売上高は大幅に増加すると予想されている。

 全体的に見て、国内外市場の需要増加により、台湾工作機械業界の14年売上高は成長が見込まれており、そのうちNC旋盤、マシニングセンタ、未分類その他のNC工作機械は売上高が大幅に増加すると見られ、ほかの製品も短い基準期間と需要回復の後押しを受けて売上高が伸びると見られている。

1.程泰機械
 日本の通貨切り下げに影響され、程泰機械の13年連結売上高は12年比12.02%減の58.82億台湾元に転落した。並びに、13年前3四半期における同社の当期純利益は、連結売上高減少と粗利益率低下の影響を受け、前年同期比26.09%減の3.60億台湾元に転落した(表3参照)。


 ただ、円安ショックの影響が薄れてきているほか、ドイツと日本の大手アルミホイールメーカーとブレーキディスクメーカーからの発注が増加して、14年1月の連結売上高は、前年同期比10.42%増の4.35億台湾元に成長した。

 投資に関して、投資総額が50億台湾元にも上る嘉義工場は、14年第1四半期に着工する要諦であり、当工場の年間生産額は50億台湾元にも達すると予想されている。なお、製品の多様性を実現し、商機をつかむべく程泰機械は航空業界進出を目指して、加工設備を積極的に開発する姿勢を示している。

2.高鋒工業
 高鋒工業の主要業務は立形マシニングセンタ、横形マシニングセンタ、御門型マシニングセンタの製造であり、近年は多角化戦略を採り大型CNC工作機械を開発している。その他、同社は経営策を調整し、技術力の向上を図って日本企業と連携開発している。
 親会社である和大工業がテスラのサプライチェーンに参入したため、高鋒工業の出荷量と粗利益率は上昇し、13年連結売上高は12年比35.94%増の20.20億台湾元に成長して、13年前3四半期の当期純利益も340.01%の大幅増を記録し、1億台湾元に達した。また、14年1月も同社は引き続き23.63%増の連結売上高を記録した。



3.協易機械工業
 協易機械工業は台湾一のプレス機メーカーであり、主力製品は御門型プレス機とC型プレスであり、同製品は家電、家庭用電気機械器具、自動車業に広く使われている。また、同社は自社ブランド「SEYI」を有し、自動車産業に積極的に関与しており、その自動車関連製品が収益の5割を上回ったほか、▽米国▽中国▽東南アジア▽メキシコ▽ブラジル——からの注文も増加している。

 協易機械工業の13年連結売上高は、前年比19.08%増の40.88億台湾元に増加したほか、粗利益率の高い中大型機種の売上好調により、13年前3四半期の当期純利益も前年34.40%増の1.44億台湾元に成長した。並びに、14年1月における協易機械工業の連結売上高も22.35%増に伸びた。

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