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【ワイズリサーチ】2014年台湾輸送用機器業界の産業分析と今後予想


リサーチ 経営 台湾事情 作成日:2014年10月23日

機械業界 工作機械・産業機械

【ワイズリサーチ】2014年台湾輸送用機器業界の産業分析と今後予想

記事番号:T00062729

一.業界の現状

1.景気概況

 2014年上半期、台湾民間設備投資の伸び幅は2013年より縮小し、第2四半期の 固定資産の購入額も11.7%減に衰退した が、住宅建設とデパート、ホテルの改築 が着工し、台湾輸送用機器業界に対する 需要が増えているほか、海外市場も好況 になっており、14年第2四半期における 同業界の売上高は13年同期比16.82%増の81.32億台湾元、売上高は同16.60%増 の81.14億台湾元に成長した(表1参照)。

 また、行政院主計処が公表したデータに よれば、14年下半期の台湾民間設備投資は 上半期より活発になり、企業の投資意欲が 顕著に上がり、台湾輸送用機器業界の売上に好影響を与える可能性があるため、14年第3四半期の同業界の生産額と売上高は、 成長が続き伸び幅は拡大した。


2.輸出入状況

▽輸入状況

「クレーン」に対する建設業界の需要と エレベーターに対する住宅市場の需要は上昇しているため、14年第2四半期の台湾輸送用機器業界の輸入額は、13年同期の11.61%増41.33億台湾元に膨らみ、その伸びは第3四半期も続いた。また、同業界の主要輸入先国とその割合は順に▽日本、 48.83%▽中国、24.305▽イタリア、 5.49%▽オランダ、4.56%▽ドイツ、4.33%ーである。

▽輸出状況

 自動化装置に対する需要は中国政府による産業構造の調整によって膨らみ、米国経済回復による住宅市場の景気好転も台湾製エレベーター・部品に対する調達を引き上げたため、14年第2四半期の台湾輸送用機器業界の輸出額は、13年同期比5.94%小幅増56.25億台湾元に成長した。同業界の主要輸出先国とその割合は順に▽中国、 35.96%▽米国、9.03%▽韓国、7.70%▽ ベトナム、6.24%▽タイ、5.73%である。
 しかし、米国による量的金融緩和政策の解除および金利の上昇に関する噂が止まらないほか、日本と韓国は経済成長が予想に届かず、同業界に対する調達が低減したため、14年第3四半期の台湾輸送用機器業界の輸出額は前年同期に達さなかった。

二.製品の販売状況

▽スタッカー
各工場の需要は弱まっているため、14年第2四半期における「スタッカー」の売上高は、12年代3四半期からの不振が引続き、前年同期比9.41%減の5.77億台湾元に止まり、第3四半期もこの衰退が続いた。

▽コンベア
13年第2四半期以降、「コンベア」の売上の後退が続いたが、今夏は食品・飲料業界の生産量と販売量の拡大を図り、「コンベア」に対する調達を増やしたため、14年第2四半期のコンベアの売上高は、前年同期比8.45%増の9.67億台湾元に伸びた。しかし、第3四半期のコンベアの売上はまた衰退に戻った。

▽「クレーン」と「リフト・昇降機」
住宅建設の着工およびデパート・ホテルの改築の好影響を受け、14年第2四半期における「クレーン」と「リフト・昇降機」の売上高は、それぞれ前年同期比 43.49%増の4.79億台湾元と12.41%増の 23.43億台湾元に膨らみ、この成長は第3四半期も続いた。

▽未分類その他の輸送用機器・部品
業界全体の売上成長は、「未分類その他の輸送用機器部品」に対する需要を押し上げているほか、海外からの発注も増えているため、14年第2四半期における未分類その他の輸送用機器・部品の売上高は、前年同期比24.44%増の36.47億台湾元となり、この伸びは第3四半期も続いた。


三.業界の運営概況


▽永大機電工業 (ヨングタイ・エンジニアリング)

 永大機電工業は積極的に中国の二線都市 (中堅都市)に展開しているエレベーターメーカーであり、中国政府の都市建設によって、エレベーターに対する二線都市の需要 が増加し、同社は中国5位のエレベーターメーカーとなった。そのほかに、14年から中国はエレベーターに関する改造とメンテナンスはそのメーカー、もしくは同メーカーの外注先に限る政策を実施したため、14 年1~8月における同社の連結売上高は、 13年比18.92%増の147.1億台湾元に伸び、 14年上半期の当期純利益も前年同期比38.03%増の9.06億台湾元に膨らんだ。

▽崇友実業 (GFC、ゴールデン・フレンズ)

 崇友実業もエレベーターメーカーであり、中国政府による住宅市場の抑制策は同社の中国展開に影響を与えているが、台湾中南部はエレベーター付きの三・四階建て住宅が流行っており、同社による6人乗りエレベーターの売上が増加している。そのため、14年1~8月の崇友実業の連結売上高は、13年同期比3.47%小幅増の21.03億台湾元に成長した。ただし、粗利益率の現象および為替差損により、13年上半期における同社の当期純利益は13.70%減に縮小 した。

▽盟立自動化 (Mirle、ミルレ・オートメーション)

 盟立自動化は台湾と中国の半導体、パネル、太陽エネルギー産業に関する機械設備に力を注いでおり、14年1~8月において は、取引先の投資プロジェクトをまだ検討していたため、連結売上高は僅か前年比 3.09%増で、当期純利益は同17.90%減に下 落した。

▽高僑自動化科技 (テラ・オートテック)

 昨年、高僑自動化科技の業績が優れなかったが、今年自動化装置に関する受注が顕著に成長したため、1~8月の連結売上高は13年同期比82.80%大幅増に伸び、当期純利益も黒字転換を果たした。

四.今後の動向予想

 住宅市場は政府による抑制策に影響され、景気は弱まっているが、デパートとホテルの改築・改造が進んでいるほか、政府による2015年度の予算に励まされ、製造業 界は住宅建設プロジェクトの着工に積極的に注力しているため、14年第4四半期の台湾輸送用機器業界の伸びは続くと見られている。しかし、海外市場の需要減少により、その伸び幅は第3四半期より縮小すると予想されている。

 各製品の販売状況を予想すると、公共事業およびオフィスに対する建設需要が増加し、14年第4四半期に「クレーン」と「リフト・昇降機」の売上高は、強い伸び幅を維持すると予測されている。「未分類その他の輸送用機器・部品」の売上も成長するが、海外市場の需要減に影響され、伸び幅は縮小すると予測している。一方、各工場の調達減により、「コンベア」と「スタッ カー」の売上不振が続くと見られている。

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