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三菱電機と台湾の科技大学、スマート製造で産学提携


リサーチ マーケティング 作成日:2019年3月14日

機械業界 工作機械・産業機械

三菱電機と台湾の科技大学、スマート製造で産学提携

記事番号:T00082437

 近年、世界の工業技術が加速度的に進歩する中、先進諸国は既存市場を維持し、高齢化と労働力不足の問題を解決するためにさまざまな政策を打ち出している。製造業においてインダストリー4.0、スマート工場が注目される中、スマート製造の実現による工場の生産性向上が重要となる。また、スマート製造を実現するためにはファクトリーオートメーション(FA)機器のスマート化とソフトウェアの開発による付加価値の創造が必要となり、HMI(ヒューマンマシンインターフェイス)の構築とソフトウェア開発人材の育成が急務である。

 台湾三菱電機は台湾進出後60年が経過し、ブランドの理念であるMEQ(Mitsubishi Electric Quality)を基本理念にかかげ、エアコン、家電や半導体、工場の自動化など幅広く展開している。中でもスマート製造に対して、FAとITの連携によるモノづくりの最適化を概念とする「e-f@ctory」を台湾で広めていく事が重要な取り組みと考えている。こうしたなか台湾のスマート製造に貢献できるよう、台湾三菱電機は2018年より中部スマート機械連盟のメンバーである国立虎尾科技大学、朝陽科技大学、国立勤益科技大学と産学連携を展開し、工作機械関連IT人材育成に協力するとともに、スマートアプリの研究開発に取組んできた。

政府が推進するスマート製造政策に対し、三菱電機の取り組み

 スマート製造の実現には工作機械のスマート化が必要不可欠であり、台湾三菱電機は工作機械のキーパーツであるCNCでもスマート製造・スマート機械に貢献する。昨年に続きe-F@ctory概念の定着活動と、今年は実際の工場にスペックインする活動に注力する。また、スマート機械を実現するため、工作機械メーカや最終ユーザでもアプリケーションが開発できるように領域を解放する。更に、台湾現地の大学と連携し、スマート製造機能のアプリケーションを開発する。

 産学連携活動は二段階に分けて実施してきた。第一段階はスマート機械向けのソフトウェア研究開発資金の助成、第2段階はCNC知能化設計支援ツールSMDKの寄贈である。SMDK(Smart Machine Design Kid)は三菱電機の最新CNC機種とPCソフトウェアNC操作機能を搭載した革新的な設備で、台湾製IPCと三菱CNC制御装置を融合するスマートマシンの研究開発に向けた最適なプラットフォームとなる。これを活用することにより台湾の開発者の慣れているWindows環境で研究開発することができる。

産学連携に対する期待と計画

 産学連携による台湾三菱電機の取り組みは台湾工作機械業界に不足しているIT人材の育成を目的に、台湾の科技大学と連携しスマート機械アプリケーションの研究開発を推進してきた。今回の産学連携を通じて、▽参画する学生が三菱電機製品に愛着を持って、就職後も同社製品の利用を期待する▽同社のCNCが更にスマート機械に近づくこと▽台湾工作機械業界におけるIT人材が育成されること——と期待している。

  先週(4日)開催の工作機械の見本市、台北国際工具機展(台北インターナショナル・マシン・ツール・ショー、TIMTOS)にて、三菱電機と台湾の科技大学が連携した2018年度の研究開発成果を展示した。現時点ではアプリケーションの研究開発は始まったばかりだが、今後更に「産・学」連携の規模を拡大していくために、「官」との連携も強化し、全国規模のスマート機械アプリケーション開発コンテストを開催する予定だ。これにより台湾の工作機械が世界で競争力をもった製品になると期待している。


(写真:FA産学連携結果発表会)

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