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《新型肺炎》新型コロナウイルスのマスク生産体制に参与したメーカー「権和機械」(NCM)


リサーチ 台湾事情 作成日:2020年5月7日

機械業界 工作機械・産業機械

《新型肺炎》新型コロナウイルスのマスク生産体制に参与したメーカー「権和機械」(NCM)

記事番号:T00089820

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、世界各国でマスクの需要が大幅増加していることに伴い、マスク製造機の需要も成長している。台湾ではマスク供給を確保するため、政府がチームを設立し、マスク製造機の2大メーカーがメンバーに加わった。台湾市場を中心とする長宏機械(チャンホンマシナリー)、そして3Mのハイクラスマスク生産ラインに設備を供給する権和機械(NCM)である。
 
一、参与の概況と強み
 長宏機械と権和機械の生産能力は元々1カ月当たりわずか6台だったが、政府支援の下、平均40日で92台生産できるようになり、台湾のマスク生産量は4月上旬に1日当たり1,300万枚の目標を達成した。現在、台湾ではマスク製造機の需要は緩やかになったが、米国やカナダなど新型コロナウイルスの感染が深刻な地域では依然として需要が高い。権和機械の蕭鴻彬董事長は、現在、マスク製造機は1カ月で過去の1年分に相当する需要があるため、2020年の売上高は4~5倍成長すると見込んでいる。
 
 蕭董事長は「マスク製造機の需要は一時的に急増、急減するものだ。2009年にH1N1型インフルエンザウイルスが流行した時も、需要が急激に増加した。しかし、マスク製造機の構造は単純であるため、参入障壁が低く、中国メーカーが増加して台湾メーカーは市場から撤退せざるを得ない状況となっている。だが、当社は創業当初より3Mのハイクラスマスク製造機の受注獲得を目指してきたことから、市場での生き残りに成功した。また、3Mの要求は厳しく、出荷までに時間がかかるが、この経験があったからこそ、キンバリークラークなど国際大手メーカーを顧客とすることができた」と語る。
 
 今回、政府のチームに参加したことは、権和機械にとって多くの収穫があった。高大偉工場長は、「かつて当社は、生産や組み立てをベテラン技術者の経験に頼っていた。しかし、政府のチームに参加し、永進機械工業(YCM)、程泰機械(グッドウェイ・マシン)、亜崴機電(AWEAメカトロニック)などの協力の下、新たな製造工程を確立して約1割の労働力を削減し、生産効率も約1割向上させることができた」と指摘する。
 
 このほか、権和機械はマスク製造機の生産スピードを加速させるため、無給休暇(景気を理由とした労働時間削減、実際には有給を含む)の対象となった同業の技術者を雇用し、保守的な産業に風穴を開けた。
 
二、今後の方針
 蕭董事長は、今後マスク産業は世界各国でさらに重視されるようになり、受注は5割前後成長すると見込んでいる。しかし、これは市場競争が激化し、淘汰されるメーカーも増えることを意味する。権和機械は既存製品のほか、需要が安定している不織布製品設備のラインナップも拡充し、マスク製造機の需要が縮小した時に備える構えだ。

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