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作成日:2008年9月4日_記事番号:T00010004
国務機密費の不正流用疑惑、陳前総統に3度目の取り調べ
国務機密費の不正流用疑惑に関連し、検察当局は3日、陳水扁前総統を召喚して3度目の取り調べを行った。取り調べに対し陳前総統は書面による答弁を用意し、馬英九総統が台北市長時代に受け取った特別費を私的に横領したとして起訴され4月に無罪が確定した裁判を引き合いに、「機密費は特別費と同じ」という持論を展開。汚職はないと潔白を主張した。4日付中国時報が報じた。
取り調べは同日午前9時半から開始され、午後2時過ぎまで計4時間半続いた。陳前総統は今回の取り調べで検察が捜査を終える考えと判断したとみられ、最後に「国務機密費は『最も特別な特別費』で、検察は機密を保持し、国家利益に重大な損失を与えぬよう希望する」と要求した。
中国時報によると、取り調べの中で、葉盛茂・前法務部調査局長がエグモント・グループから得た呉淑珍夫人による資金洗浄疑惑の情報を、陳前総統に報告したのが2006年12月5日だと確認されたという。また、メリルリンチのスイス現地法人に長男陳致中氏の妻、黄睿靚氏名義の口座が開設されたのが同年12月21日、陳前総統の家族が同口座に資金を移動させたのが07年2月ということが判明したとされ、同紙では「資金洗浄疑惑の情報入手と資金の移動に関連性があることは明らか」と報じている。