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ラクトパミン豚肉禁輸、住民投票で賛成多数の可能性(トップニュース)/台湾


ニュース 農林水産 作成日:2021年12月16日_記事番号:T00100100

ラクトパミン豚肉禁輸、住民投票で賛成多数の可能性(トップニュース)/台湾

 成長促進剤(通称・痩肉精)「ラクトパミン」が残留した豚肉輸入を再度全面禁止すべきかなど4件の賛否を問う住民投票をあさって18日に控え、野党国民党寄りの大手紙、聯合報は16日、行政院農業委員会(農委会)の統計で、今年1〜11月の米国産豚肉の輸入量は1,920トンと、前年同期比86.8%減少したと一面で大きく報じた。蔡英文・政権が今年1月から、ラクトパミンが残留する米国産豚肉の輸入規制を緩和したことで、業者が追跡調査や面倒を嫌い、欧州などに輸入先を変更したと分析した。与党民進党寄りの自由時報は、住民投票で「同意(賛成)」多数となれば、良好な米台関係に水を差し、代償は計り知れないなどの主張で反撃しているが、賛成多数で成立する可能性がある。

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 農委会の統計によると、米国産豚肉の1〜11月の輸入量は、輸入先別で前年同期の2位から5位に下落した。

 首位は、スペインからの1万6,720トンで、前年同期比84%増加した。2位はカナダの1万4,809トンで16%減少、3位はデンマークの9,530トンで36.4%増加、4位はオランダの7,157トンで48.7%増加した。

ラクトパミン回避、56%

 聯合報が実施した世論調査によると、市民の56%がラクトパミン残留豚肉を食べないよう気を付けていると回答した。気にしないとの回答は35%、意見なし・無回答は9%だった。

 ラクトパミン残留豚肉を食べない方法は、▽加工食品を含め、豚肉を食べないようにする、(26.1%)、▽豚肉使用に関する店舗の掲示を確認する、(25.1%)──などだった。

 蔡・政権は、今年1月からの米国産豚肉の輸入規制緩和に伴い、台湾産豚肉使用を証明する認証ラベル「台湾猪(豚)標章」などを発行し、飲食店などの店舗に掲示するよう呼び掛けている。

 台湾猪標章の認知度は、「知っている」が65%、「知らない」が35%だった。知っていると回答した人のうち、台湾猪標章の掲示店舗で台湾産豚肉を使用していると「信じられる」が59%だった一方、「信じていない」が31%に上った。

 世論調査は6〜11日に電話を通じて実施し、成人1,070人から回答を得た。282人は回答を拒否した。

米台関係の亀裂に懸念

 自由時報によると、台湾が9月に申請した環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)加盟に向けた交渉トップを務める鄧振中・行政院政務委員は15日、ラクトパミン残留豚肉の輸入全面禁止が住民投票で成立すれば、CPTPP加盟は中国や韓国に先を越される恐れがあり、米台による貿易投資枠組み協定(TIFA)に基づく会合の開催スケジュールにも影響が出ると懸念を示した。

 半導体材料商社の崇越科技(トプコ・サイエンティフィック)の郭智輝・董事長は、ラクトパミン残留豚肉輸入の反対論者は、台湾経済を破滅させる気かなどと述べた。

 民進党は、このほか3件の住民投票、▽第4原子力発電所(新北市貢寮区)の凍結解除と発電開始、▽台湾中油(中油、CPC)の第3液化天然ガス(LNG)受け入れ基地の建設予定地の移転──などでも、「不同意(反対)」の投票を投じるよう呼び掛けている。

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