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TSMCの22年設備投資、最大440億ドル(トップニュース)/台湾


ニュース 電子 作成日:2022年1月14日_記事番号:T00100564

TSMCの22年設備投資、最大440億ドル(トップニュース)/台湾

 ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は13日の業績説明会で、2022年の設備投資額は過去最高の400億〜440億米ドルで、前年の約300億米ドルから33〜46%引き上げると発表した。うち70〜80%を7ナノメートル以降の先進製造プロセスへの投資に充てる。業界関係者は、2ナノ以降のプロセスで必要な次世代の極端紫外線(EUV)露光装置、高NA(ハイ-NA)ツールなどの研究開発(R&D)や調達に投資するとみている。14日付経済日報などが報じた。

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 業界関係者によると、3ナノプロセスまでは既存のEUV装置で対応できるが、2ナノ以降では高NAツールによる効率化が必要で、消費電力を50%以上削減できると指摘した。EUV装置の製造コストは1億ユーロ(約130億円)以上で、設備を新たに開発するにはさらに費用がかかる。

 設備投資のうち、10〜20%は特殊プロセスの生産拡大、残りの10%は先進パッケージング(封止)などに充てる。

3ナノ、下半期量産入りへ

 魏哲家・総裁は、3ナノは予定通り22年下半期に量産入りすると説明した。顧客は想定よりも多く、量産入り1年目の新製品のテープアウト(設計完了)は、5ナノの量産入りの時よりも多い見通しだ。

 4ナノの高性能計算(HPC)向けに特化した製造プロセス「N4X」は23年上半期に試験生産、3ナノシリーズの「N3E」は23年に量産に入る。

 熊本新工場をソニーセミコンダクタソリューションズ(SSS)と合弁で設置する計画に関連し、アナリストから、欧州の新工場も合弁で設置するのかと質問され、劉徳音(マーク・リュウ)董事長は、日本新工場を合弁としたのは特殊な例だと説明。欧州工場はまだ評価の初期段階で、顧客の需要など考慮すべき要素が多くあると述べた。

22年29%増収も

 魏・総裁は、22年のメモリーを除く半導体産業の成長率は前年比9%、うちファウンドリーは成長率は約20%と予測。TSMCの売上高の成長率は25〜29%と、業界平均を上回ると述べた。新型コロナウイルス感染症の世界的な流行でデジタルトランスフォーメーション(DX)が加速する中、第5世代移動通信(5G)やHPC、車載向けの需要が強く、22年通年でTSMCの生産能力はひっ迫する見通しだ。

 また劉・董事長は、IC設計会社やIDM(垂直統合型の半導体メーカー)からの受注がいずれも増えることも、TSMCの成長率が業界平均を上回る理由だと説明した。

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