パネルメーカーの生産能力利用率は、9~10月のハイシーズンは上昇するが年末から下落に転じ、来年第1四半期に再び減産が行われるという予測を市場調査会社のディスプレイサーチが明らかにした。パネル各社は第3四半期に減産を行ったものの、9月時点で価格がいまだ製造コストとほぼ同レベルにとどまっており、今後さらなる調整が必要とみられるためだ。5日付工商時報などが報じた。
ディスプレイサーチによると、パネルメーカーの4~5月の生産能力利用率は95%前後だったが、7月に88%、8月は85%まで下落した。9~10月は90%以上まで回復するが、ハイシーズンの終了とともに生産能力利用率も下落し、12月には89%となる予測だ。
謝勤益ディスプレイサーチ副総裁は、「モニター用19インチワイドパネルでは、製造コスト97米ドルに対し、オファー価格は90米ドルで採算割れとなっている」と指摘。パネルメーカーは価格が低過ぎる発注を既に受けつけておらず、9月の価格下落は小幅となるという見通しを示した。また、来年のパネル市場について、各社が生産拡大を抑えていけば楽観も可能という見方を示した。
Q4減産、各社が検討
9~10月は受注がやや好転するものの、ハイシーズンという側面があり、価格も好転していないため、パネル各社は第4四半期も減産を継続するかについて検討を行っている。仮に第4四半期に減産を行わないならば、来年第1四半期に減産するというのが専門家の見方だ。
中華映管(CPT)は、当初8月末までとしていた減産を、9月も引き続き行うことを決定。第4四半期も市況が悪ければ、さらに継続する考えだ。奇美電子(CMO)は、9月は15%減産の計画だが、第4四半期については9月中旬以降に受注状況をみて決めるとしている。
大型パネル、今年はハイシーズンなし?
なお、第3四半期の各社の減産幅は10~15%と発表されているが、一部ラインの実際の減産幅は25~30%に達していると5日付電子時報では指摘している。
同紙はまた、第3四半期の大型パネルの出荷枚数は、液晶モニター用パネルが伸びず、前期比2.9%減、第4四半期は前期比1.8%増と予測。下半期全体では前年同期比でゼロ成長となる可能性もあり、大型パネルは振るわないハイシーズンになるとみている。