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GWCが生産拡大に1千億元、独同業の買収失敗で(トップニュース)/台湾


ニュース 電子 作成日:2022年2月7日_記事番号:T00100864

GWCが生産拡大に1千億元、独同業の買収失敗で(トップニュース)/台湾

 半導体用シリコンウエハー世界3位、環球晶円(グローバルウェーハズ、GWC)は1日、同業4位の独シルトロニックの買収について、ドイツ当局の承認が期限の1月31日までに得られず、断念したと発表した。一方で6日には、大経口ウエハーや第3世代半導体用ウエハーなど次世代製品のアジア、欧州、米国での生産拡大に、2022〜24年に1,000億台湾元(約4,100億円)投資すると発表した。23年下半期から順次稼働する。買収に充てる予定だった資金を自社での投資拡大などに振り替え、首位の信越化学工業、2位のSUMCOを追う。7日付工商時報などが報じた。

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 GWCは、▽12インチのシリコンウエハーとエピタキシャルウエハー、▽8インチと12インチのシリコン・オン・インシュレーター(SOI)ウエハー、▽8インチのFZ(浮遊帯、フローティングゾーン)ウエハー、炭化ケイ素(SiC)ウエハー、炭化ケイ素基板上に窒化ガリウム(GaN)をエピタキシャル成長させた「GaN on SiCウエハー」──などを増産する。

 新工場の設置にはうち20億米ドルを投資し、24年の稼働を予定する。既存工場の拡張には16億米ドルを投じ、23年下半期以降に稼働予定だ。

 徐秀蘭・董事長は、新工場は設置先の候補がいくつかあり、交渉中で、拡張する既存工場は一部は決まっているが、まだ確認中のところもあり、現時点で発表できないと説明した。生産能力の拡大予測も明らかにしなかった。

 6日の発表によると、設備は日立プラントサービスなどから調達する。

独政府が半導体物資確保か

 GWCは21年3月、シルトロニックに対する株式公開買い付け(TOB)で、30億5,000万ユーロ(約4,000億円)を投じ、同社株式の70.27%を取得したと発表。買収が成立すれば、GWCはSUMCOを抜き、世界2位に浮上する見通しで、これまでにドイツ以外の各国・地域の監督機関の承認取得までこぎ着けていた。

 買収失敗は、徐・董事長によると、TOBの承認取得までのスケジュールは1年2カ月で、期限の22年1月31日までに完了すべきところ、26日に中国当局の審査関連の資料を手に入れ、ドイツ当局に送付したが、ドイツ当局から審査に間に合わないと説明を受けた。一方で市場では、ドイツ政府は、半導体の供給不足が続く中、戦略物資である半導体ウエハーの生産能力が海外メーカーに渡るのを防いだとの観測が出ている。

 徐・董事長は6日、同日発表した1,000億元の投資は、シルトロニックの買収が失敗したときの代替案「プランB」だと説明。買収に充てる予定だった資金を、自社での投資や運営資金に充てると説明した。

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