桃園国際空港から上海まで、飛行時間80分での行き来が第4四半期中にも実現する可能性が出てきた。台湾と中国が進めている直航便の新ルートに関する技術的協議が10月にまとまる見通しで、これにより桃園~上海の飛行時間は現在の150分からほぼ半分になる。週末運航の直航チャーター便は先週、平均搭乗率が実施後最低の82%まで落ち込んだが、利便性が高まれば香港・マカオ経由便の利用者の乗り換えが進みそうだ。8日付経済日報が報じた。
交通部は中国北部行きの直航便新ルートとして、まず現行のB-576国際航路を通り、その後沖縄、韓国済州島の飛行管制空域をかすめて西に転じ、上海の管制空域内に入るというルートを計画しているもようだ。南部行きは引き続き香港航空管制区経由で広州へ入るルートを採用する。
台北・上海・北京が「1日生活圏」に
新ルートが実現すれば、上海以外にも桃園~北京が現行より75分短縮されて150分となり、台北、上海、北京が「1日生活圏」を形成することになる。交通部関係者は、「協議が順調に行けば、将来新たに増える旅客・貨物チャーター便はすべて新ルートを通ることになり、平日チャーター便、その後の定期便就航につなげていきたい」と語り、利便性向上に積極的な姿勢をみせた。
関係者によると、中台は北部行き新ルートでは、軍事的に敏感な台湾海峡中間線近くの防空識別圏を避けることで既に初歩的な合意に達している。現在台湾側の交通部民用航空局(民航局)飛航服務総台と、中国側の民航総局空管局で、▽領空権▽ルート設置▽管制業務▽フライトデータの交換▽事故発生時の救助──など技術面での協議を進めている。
チャーター便、価格競争が火ぶた
ところで、7日付自由時報によると、中台直航週末チャーター便は実施2カ月にして人気が徐々に落ちてきている。北京五輪終了後初の週末は、準備期間のなかった就航第1週目以来初めて搭乗率が9割を下回り、先週はさらに82.1%まで低下した。また7~21日までの中秋節向けの祝日チャーター便も売れ行きは不調で、計18便の予約率は50~70%といった状況だ。
このため既に価格競争が始まっている。長栄航空(エバー航空)では9月5日~10月7日、10月15~31日の期間に出発する広州行きおよび9月10日の北京行きを9,500台湾元(約3万2,000円)と、それぞれ通常の1万元、1万9,000元から割引して提供する。復興航空(トランスアジア・エアウェイズ)も、アモイ行き片道4,000元のキャンペーンを打ち出している。
中国の航空業者も値下げを行っている。最も人気の高い上海線では、中国東方航空が11日間プランで9,400元、上海航空が13日プランで1万1,000元と市場価格の1万7,500元前後を大きく下回る価格を打ち出している。