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鴻海、ソニーの液晶テレビ受注


ニュース 電子 作成日:2007年6月11日_記事番号:T00001010

鴻海、ソニーの液晶テレビ受注

 11日付工商時報によると、鴻海精密工業がソニーより32インチ型の液晶テレビを受注した。7月から出荷予定で、40インチ型も現在ソニー側にサンプルを送付して認証テスト中だ。

 32インチ型はソニーとサムスン電子の合弁パネル製造会社「S─LCD」社製品を採用。広東省深セン市の龍華工場で生産する。今年の生産は少量にとどまるが、来年から大量出荷となる。同製品は主に日本以外のアジア諸国が主要ターゲットで、特に中国市場の開拓に期待がかかっている。

 鴻海は液晶テレビ分野への進出のため、友達光電(AUO)から盧博彦執行副総経理を引き抜いて研究開発(R&D)を構築。今年は瑞軒科技(アムトラン・テクノロジー)向けに26インチ型以下の製品を出荷、今回はソニーへの出荷も決まるなど、わずか1年の準備で結果を出した。工商時報は、「鴻海は全世界に生産拠点を持っており、受注があればどこからでも出荷できる圧倒的な強みがある。液晶テレビ分野への進出は最も遅かったが最後の勝者になる可能性があり、他の液晶テレビOEM(相手先ブランドによる生産)メーカーにとっては大きな脅威だ」と報じた。

 鴻海グループは8日に株主総会を開催。郭台銘董事長は今年の事業方針を発表し、医療分野への参入を図るほか、チェコ、ベトナムへの投資拡大、ロシアへの新規投資などを進める考えを示した。また、今年のグループ売上高が当初目標より1年前倒しして、2兆台湾元を達成可能との認識を示した。

 医療分野への進出を考えたのは、弟の郭台成氏の病気がきっかけ。進出分野としては、グループの技術を生かせるレーザーメスが有力という。

 一方、グループ経営の後継問題をめぐっては、「来年にも一線を退くほか、年齢が近い数人の董事も退任し、若い世代に引き継ぐことになる」と述べた。後継者には連結器事業群総経理の盧松青氏らが有力視されている。

 鴻海精密工業グループの5月の売上高は、iPhoneやWiiの受注が好調で1,103億元を記録。今年1月の売上総額は5,000億元を超えた。鴻海単体では前月比1%増の851億3,800億元だった。