ニュース 医薬 作成日:2022年2月17日_記事番号:T00101064
米バイオ製薬会社、モデルナは16日、今年半ばに台湾など4カ国・地域に子会社を設立すると発表した。新型コロナウイルス感染症のメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンや治療薬の供給を担い、台湾の安定確保につながりそうだ。モデルナの発表に対し、中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)指揮官の陳時中・衛生福利部(衛福部)長は、歓迎の意を示した上で、ワクチンの受託生産などで提携の可能性を模索すると語った。17日付経済日報などが報じた。
モデルナは、▽台湾、▽香港、▽シンガポール、▽マレーシア──で子会社を設立する計画で、新型コロナ感染症ワクチンや次世代のmRNAワクチン、治療薬の製造や供給の規模拡大につながると説明した。現在、▽日本、▽韓国、▽オーストラリア──など、世界12カ国・地域に拠点がある。
パトリック・ベルクシュテット上級副社長は、直ちに台湾人材の募集を開始すると説明した。台湾には優秀な医科大学や附属病院が多く、台湾子会社は当初、これらの大学などとの臨床医学分野での提携に重点を置くと説明した。既に大学などと接触しており、提携の可能性について協議中だと述べた。
米台でバイオ医薬供給網か
ステファン・バンセル最高経営責任者(CEO)は、台湾で多くの提携の機会があることを期待していると表明した。
業界関係者は、米台がモデルナを通じて、バイオ医薬品産業のサプライチェーンを構築するとの見方を示した。
台湾でのモデルナのワクチンの受託生産メーカー候補として何度も名前が挙がっていた、バイオ医薬品メーカー大手の台康生技(エアジェニクス)は、昨年より政府からモデルナのmRNAワクチン受託生産の打診があり、十分な技術力と生産能力を備えていると強調した。新型コロナを季節性インフルエンザと同様に取り扱う流れがあり、モデルナが次世代ワクチンの開発を続けるのであれば、台湾域内での提携の機会も続くと指摘した。
医薬品開発・製造受託(CDMO)大手、永昕生物医薬(マイセナックス・バイオテック)の林栄錦・董事長は、モデルナが核心技術を提供するのなら、mRNAワクチンを受託生産することが可能だと述べた。
業界関係者は、モデルナはアジアで、韓国のサムスンバイオロジクスに充填を委託しており、台湾で数億回分の充填能力を有するメーカーとして、▽台耀化学(フォルモサ・ラボラトリーズ)、▽聯亜薬業(UBIファーマ)、▽南光化学製薬──などを候補に挙げた。
このほか、国家発展委員会(国発会)などが最大49%出資し、民間企業と合弁会社を設立し、モデルナから技術移転を受けて、ワクチンを受託生産する計画もあるようだ。
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