ニュース 政治 作成日:2022年2月24日_記事番号:T00101187
ロシアがウクライナ東部の親ロシア派支配地域の独立を承認し、ロシア軍の派兵を決めたことに対し、米欧や日本が経済制裁の発動を打ち出したのに合わせ、蔡英文・総統は23日、ロシアによるウクライナの主権侵害を非難し、国際社会の一員として争いの平和的解決に向け協力すると表明した。米国などの制裁に歩調を合わせ、台湾はロシア向けの半導体などハイテク産業関連製品の禁輸措置を取るとみられている。また、ロシアによるウクライナ侵攻のどさくさに紛れ、中国が台湾を侵攻する懸念が高まっていることに対し、蔡・総統は、台湾海峡の軍事動向への監視や警戒を強化すると述べた。24日付経済日報などが報じた。
蔡・総統は、各方面が平和的、理性的な方法で争いを解決するよう呼び掛けた上で、地域の情勢の平和、安定のために共同で努力していくと強調した(蔡・総統フェイスブックより)
蔡・総統は同日、蘇貞昌・行政院長と共に、国家安全会議(国安会)「ウクライナ情勢対応グループ」や関連部会(省庁)からの報告を受けた上で、▽平和的解決に向けた国際協力、▽台湾海峡の監視など強化、▽フェイクニュース対策など、認知戦対応による台湾社会の安定、▽重要物資の確保、物価や金融市場の安定──を指示した。
自由時報によると、米国が主導し、ロシア向けの半導体などハイテク産業関連製品の禁輸措置を発動するための調整が進む中、半導体産業の集積地である台湾の参加が、制裁の効果の鍵を握っている。
蔡・総統は、経済部など関連部会に対し、半導体などの輸出製品の現況を確認するよう指示し、各国との足並みをそろえるとした。経済部は、半導体産業の現況は確認済みで、ロシアへの制裁措置を発動しても、サプライチェーンへの悪影響はないと説明した。
財政部の統計によると、ロシアへの昨年の半導体輸出額は2,164万米ドルで、台湾の輸出総額のわずか0.013%だった。
ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は23日、政府がロシアへの輸出規制を決定した場合は従うと表明した。
ウクライナに便乗、中国が反発
一方、蔡・総統が台湾海峡の軍事動向への監視など強化を指示したことに対し、中国外交部の華春瑩・報道官は同日、台湾当局はウクライナ問題に便乗していると強く批判した。台湾は中国の不可分の領土の一部であることは、歴史と法原理の上で覆すことのできない事実だと強調した。
シンクタンクの台湾民意基金会が実施した世論調査によると、ロシアによるウクライナ侵攻に乗じ、中国が台湾に武力攻勢を仕掛ける可能性があるかとの問いに対し、42.7%が「あまりない」と回答した。「全くない」との回答は20.2%だった。「可能性はある」は19.5%、「非常に高い」は7.1%だった。
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