ニュース 電子 作成日:2022年3月14日_記事番号:T00101468
ロシアによるウクライナ軍事侵攻が続く中、外電の報道によると、半導体の露光工程に使用するレアガス(希ガス)、ネオンを製造するウクライナ企業、インガスとクライオインが操業を停止した。2社の生産能力は世界の半導体向け年間使用量540トンの45%相当とみられる。台湾の財政部は12日、域内メーカーはネオンなどレアガスのウクライナからの輸入比率は低い上、在庫が6〜9カ月分あり、当面は不足しないと説明した。13日付経済日報などが報じた。
インガスによると、ロシアのウクライナ侵攻以前のネオンの月産量は1万5,000〜2万立方メートルで、うち75%を半導体産業向けに供給していた。供給先は▽台湾、▽韓国、▽中国、▽米国、▽ドイツ──。
クライオインの月産量は1万5,000立方メートル。クライオインは、操業停止後3カ月は供給できるが、仮に設備が破壊されれば早急に操業を再開するのは難しいと説明した。
財政部は、ネオンなどレアガスはロシアが輸入額シェア2.5%で4位の輸入相手、ウクライナが2.3%で5位と説明した。ただ、航空各社がロシア領空を迂回(うかい)している影響で、供給が若干遅れる可能性があると指摘した。
ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は同日、外電の報道にはコメントしないとした。TSMCは特殊ガスのサプライヤーとの取引について、明らかにしたことはない。
ファウンドリー大手の聯華電子(UMC)は先日、サプライヤーは複数あり、仮にウクライナからの供給が途絶えても、台湾に代替の調達先があると説明していた。
ドイツIDM、減産か
業界関係者などによると、TSMC、UMCなど台湾の大手をはじめアジアの半導体メーカーへの影響は限定的な一方、ウクライナのレアガスの8割以上が欧米に供給されており、欧州のIDM(垂直統合型の半導体メーカー)や米国の中小型の半導体メーカーが打撃を受けそうだ。
業界関係者によると、あるIDMの独ドレスデン工場が従業員と顧客に対し、今後2カ月の減産計画を通知した。
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