ニュース 鉄鋼・金属 作成日:2022年3月16日_記事番号:T00101515
鉄鋼最大手、中国鋼鉄(CSC)は15日、4月と第2四半期の域内向け価格を発表し、1トン当たり1,000~2,400台湾元(約4,100~9,900円)、平均5.83%引き上げた。四半期ごとの引き上げ幅として、過去1年で最大だった。翁朝棟・董事長は、ロシアのウクライナ軍事侵攻をきっかけに、鉄鋼の生産に必要な石炭や鉄鉱石の国際相場に加え、輸送費も高騰しており、価格に転嫁せざるを得ないと語った。16日付工商時報が報じた。
翁・董事長は、原材料などのコスト変動が非常に大きく、リスク低減のため、第3四半期から製品価格の発表を月ごとに変更することを検討していると説明した。
ロシア・ウクライナから転注も
翁・董事長は、ウクライナ軍事侵攻でロシアとウクライナからの鋼材の輸出が減少し、CSCはアジア市場で受注が増える見通しと指摘した。
CSCによると、ロシアとウクライナは粗鋼の年産量が合計約1億トンに上る。鋼材の輸出量は4,000万トン以上で、主に欧州とアジアに輸出している。ロシアの鉄鋼業者は、西側諸国の経済制裁やロシア政府の輸出禁止措置の影響で、輸出入が滞っている。ウクライナ南東部の鉄鋼業の集積地、マリウポリは激戦地で、鉄鋼メーカーも生産を停止している。
翁・董事長は、各国・地域のインフラ建設に加え、国防・軍備の強化、戦後の再建で、世界的な鉄鋼需要が見込めると説明した。
元安も輸出後押し
4月の価格は、▽熱延、▽冷延、▽建材と焼付塗料向け溶融亜鉛めっき鋼コイル──を1トン当たり2,100元引き上げた。▽家電、コンピューターなど向け溶融亜鉛めっき鋼コイル、▽電磁鋼コイル──は1,500元引き上げた。電気亜鉛めっきコイルは1,000~1,500元引き上げた。
第2四半期の価格は、中~高炭素鋼など向け熱延と冷延、自動車向けは1トン当たり2,400元引き上げた。棒鋼・線材と鋼板は2,200元引き上げた。ドラム缶向け冷延は2,000元引き上げた。
CSCの値上げに対し、川下の製管、めっき加工、ねじ・ナット業者は予想通りと受け止めている。
ねじの業界団体、台湾螺絲工業同業公会(螺絲公会)の蔡図晋・理事長は、原料の棒鋼・線材の値上げ幅が2,200元で予測と合致していた上、台湾元相場が1米ドル=約28.5元と下落しており、輸出向けの受注と出荷が見込めると語った。
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