マネーロンダリング(資金洗浄)疑惑の渦中にある陳水扁前総統は11日、地元台南県でラジオ局の取材に応じた際、2012年の次期総統選挙に出馬すると突然宣言し、その真意をめぐってさまざまな憶測を呼んでいる。
蘋果日報の調査では「出馬するなら投票する」という回答は約20%。前職としてはやはりさびしい数字だ(11日=中央社)
12日付蘋果日報によると、陳前総統は南都電台のインタビューに対し、「馬英九(総統)がわたしを追い詰めようとするなら、2012年の総統選挙に出馬を宣言して、君(馬総統)と最後まで戦うというのはどうか」と発言し、馬総統に対する敵意をむき出しにした。
陳前総統はまた、地元での座談会の席上、「資金洗浄疑惑は馬英九(総統)が無能さを隠すために仕掛けたものだ。自分の知らない間に妻が資金を海外に送金していたことについては謝罪するが、もし資金を台湾に戻せるならば、全て社会の恵まれない人のために使いたい」などと語った。
さらに台湾独立路線については、「(馬英九政権発足から)100日で台湾の主権はなくなった。総統は区長(台湾地区の指導者)に成り下がった」「わたしは台湾独立を主張しており、馬英九(総統)は両岸(中台)統一を主張している」などと自らの独立色を強調した。
出馬宣言の真意は不明だが、憲法上は連続3選が禁止されているだけで、陳前総統は2選後に任期が中断しているため、2012年の総統選に出馬することは可能だ。ただ、民進党が陳前総統を擁立する可能性はゼロに等しい。
陳前総統の「爆弾発言」に対し、インターネット上では批判が噴出。中には「恥知らずにも程がある。皇帝にでもなればいい」などといった書き込みが見られた。
地元官田郷の住民100人余りは「阿扁(陳前総統の愛称)頑張れ」などと声援を送ったが、群衆からは「死んでしまえ」などというやじも飛んだ。