ニュース 電子 作成日:2022年4月15日_記事番号:T00102020
ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の魏哲家・総裁は14日の業績説明会で、今年の米ドル建て連結売上高は、1月に予測した前年比25〜29%増を超える可能性があると述べた。8月に量産を開始すると報道があった3ナノメートル製造プロセスについて魏・総裁は、下半期に量産すると語り、2ナノプロセスについても2024年にリスク生産、25年に量産の目標は変わりないと説明した。15日付工商時報などが報じた。
魏・総裁は、ウクライナ情勢や中国の一部都市で続くロックダウン(都市封鎖)などマクロ経済の不確定要素の影響で、▽スマートフォン、▽パソコン、▽タブレット端末──など消費者向け電子製品の販売が低下しているものの、マイクロコントローラー(MCU)や電源管理IC(PMIC、パワーマネジメントIC)の供給は依然ひっ迫していると指摘。最終製品の半導体搭載量が増えている上、カーエレクトロニクスや高性能計算(HPC)の需要は力強く、今年いっぱいフル稼働が続くと説明した。顧客はコロナ禍で生産が中断しないよう、高い在庫水準を維持していると指摘した。
半導体メーカーの相次ぐ増産で、成熟プロセスが供給過剰になるとの見方について魏・総裁は、TSMCは顧客の長期的な需要を確認した上で生産能力を増強しており、仮に景気が減速しても、値下げしないと語った。
粗利益率55%
TSMCの今年の設備投資計画は400億〜440億米ドルで、変更はない。
魏・総裁は、立体構造トランジスタ(FinFET)技術採用の3ナノプロセスは、下半期に量産を開始し、2ナノプロセスは24年にリスク生産、25年に量産を開始する目標に変わりはないと説明した。
熊本県に建設する新工場は、24年に22ナノと28ナノプロセスで生産を開始する予定だ。日本メディアの報道によると、19日に熊本県菊陽町と立地協定を締結するようだ。
TSMCが14日発表した第1四半期の連結売上高は4,910億7,600万台湾元(約2兆1,300億円)で、前期比12.1%増加、前年同期比35.5%増加した。5ナノプロセスの売上高構成比は20%、7ナノは30%で、7ナノ以降の先進プロセスが50%を占めた。粗利益率は55.6%で前期比2.9ポイント上昇した。純利益は2,027億3,300万元で、前期比22.0%増加、前年同期比45.1%増加し、過去最高だった。
第2四半期連結売上高の見通しは176億~182億米ドルで、1米ドル=28.8元で計算すると、前期比3.2〜6.7%増の5,069億8,000万〜5,241億6,000万元となる。5ナノ/7ナノプロセスの売上高構成比は50%を超える見通しだ。
21年の連結売上高は前年比18.5%増の1兆5,874億元だった。
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