ニュース 電子 作成日:2022年4月20日_記事番号:T00102092
液晶パネル大手、友達光電(AUO)の彭双浪(ポール・ポン)董事長は19日、たとえ中国の各都市で新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)が解除され、工場の操業を再開できても、サプライチェーン(供給網)の正常化には3カ月はかかると予測した。上海市の行動制限による打撃は、中国政府が昨年実施した電力供給制限を上回ると述べた。20日付工商時報などが報じた。
彭・董事長(右2)は19日、中国の行動制限で、「(貨物)ドライバーはPCR検査を受けているか、検査会場に向かっているかだ」と言われるほど、陸上輸送の停滞は深刻な問題と指摘した(工業研究院リリースより)
彭・董事長は、工場の操業を再開するにも、残っていた人員はすぐに仕事に戻れるが、外部から入ってきた人員は、検査や隔離が必要で、完全復帰までに半月から1カ月かかると指摘した。
上海市の操業再開の支援リスト第1弾の対象企業666社について彭・董事長は、材料のサプライヤーが含まれておらず、操業の再開には在庫も課題だと語った。
彭・董事長は、AUOの江蘇省の蘇州工場と昆山工場は一部生産を続けているが、材料が入荷できなければ、あすにも生産できなくなるかもしれないと述べた。
デルタ全社の2割に影響か
電源装置大手、台達電子工業(デルタ・エレクトロニクス)の鄭平・執行長は、蘇州市の呉江工場は従業員の80%以上が工場内の宿舎で生活していたので、閉鎖された環境で生産を続けられていると話した。ただ、昆山市のサプライヤーが操業を停止し、機構部品などの調達が難航しており、最悪の場合、影響は同社全体の4月の生産能力の2割に上ると予測した。5月には状況が徐々に改善すると見込み、手元の受注分を顧客にできるだけ早く出荷するため、残業で生産を急ぐと説明した。
電源装置・光学部品大手、光宝科技(ライトン・テクノロジー)の邱森彬・総経理は、従来は半導体の供給不足は第3四半期に改善すると予想していたが、中国の物流の混乱で、2023年まで長引くとの見方を示した。
操業再開でも問題山積み
昆山市は19日、直近7日以内に新型コロナ感染者が出なかった、感染対策を講じているなどの条件を満たす「無疫企業」60社を発表した。半導体パッケージング・テスティング(封止・検査)の日月光投資控股(ASEテクノロジー・ホールディング、ASEH)、電子機器受託生産大手の緯創資通(ウィストロン)、鴻海精密工業など台湾系23社が含まれた。工場の操業再開が優先的に許可される見通しだ。
ある台商(海外で事業展開する台湾系企業)関係者は、たとえ操業が再開できても、原材料不足や物流問題で、生産能力は完全には戻らないと述べた。
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