ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

自動車市場、「来年も好転せず」


ニュース 自動車・二輪車 作成日:2008年9月12日_記事番号:T00010215

自動車市場、「来年も好転せず」

 
 低迷が続く自動車市場は、来年も好転が期待できず、良くても年成長率5%にとどまるという予測が11日、JPモルガン証券によって示された。主な理由として、▽新車の発売予定の少なさ▽国際原油価格の高止まり▽消費者の購買意欲の減退──を挙げている。来年には厳冬期を脱すると期待している業界にとっては、衝撃的な見通しだ。12日付工商時報が報じた。
 
T000102151

 
公共交通機関の発達、市場成長を阻害
 
 JPモルガンの?以哲台湾区研究部主管は、▽自動車は本体価格のほか、燃料、税金、保険など維持費のかかるぜいたく品と見なされていること▽都市部の公共交通機関の利便性向上──などが、自動車市場の成長を阻害していると指摘した。同社によると、原油価格と、台北の都市交通システム(MRT)利用者数の間には、80%の関連性があるという。今年上半期、台北のMRT利用者数は9.1%増加、台湾鉄路(台鉄)の利用者は5.5%増加している。

2010年、やっと30万台回復
 
 今年通年の新車登録台数について、JPモルガンとマッコーリーキャピタル証券は、前年比25%減の24万台になると従来予測を下方修正した。

 交通部数拠所の発表によると、先月8月の新車登録台数は、前年同月比60.4%減少の9,563台で、過去22年間で最低だった。これについてマッコーリーキャピタル証券は、自動車や住宅など大きな買い物には縁起が悪いとされる旧暦7月「鬼月」(今年は8月1日~30日)の影響とも言えるが、8~9月を合わせて判断しても市況は良いとは言えないと指摘。第3四半期が今年の谷底に当たるとしても、第4四半期が楽観できるわけではないとの見方を示した。

 モルガン・スタンレー証券の陳建名中小型株アナリストからは、新車登録台数が30万台の水準まで回復する時期は2010年になるとの予測も示された。

各社の利益、10~20%の過大評価
 
 ?JPモルガン主管はまた、自動車メーカーや自動車部品メーカーの業績に対して、市場は依然高すぎる評価を与えていると指摘した。▽和泰汽車▽中華汽車工業▽裕隆汽車製造▽東洋実業▽正新橡膠工業▽帝宝工業(デポ・オートパーツ)──などは、今年に入ってアナリストによる予想利益水準が平均20%下方修正されているが、今後まだ10~20%下がる余地があるという。中でも中華汽車は、最大60%以上引き下げられる可能性もあるとの見方を示した。