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作成日:2008年9月15日_記事番号:T00010217
結婚生活30年以上、熟年夫婦の離婚急増
アジアで離婚率が最も高い台湾で近年、熟年夫婦の離婚が急増している。特に、30年以上連れ添った熟年夫婦の離婚増加が著しい。
内政部の最新データによると、2007年の離婚件数は5万8,410組で、1日当たり平均160組が離婚している計算だ。結婚経過年数別では「5年未満」が30.8%(1万7,981組)で最も多く、「5~9年」が26.3%(1万5,388組)、「10~14年」が16.13%(9,419組)だった。
結婚生活が長くなるにつれ離婚は減り、約6割は結婚10年未満で離婚している。世間でいう「7年目の浮気」は昔の話で、今は5年ももたずに「はい、サヨウナラ」というケースが主流のようだ。
97年~07年の10年間の統計では、離婚の増加率は平均4.15%。増加率が最も大きかったのは、結婚経過年数「30年以上」の11.89%で、「25年~29年」が9.78%、「5~9年」が4.56%と続く。結婚生活が25年を越える熟年夫婦の離婚急増が顕著になっている。
王麗容台湾大学社工学科教授によると、日本では07年4月から施行された新しい年金分割制度が熟年離婚ブームに拍車を掛ける形になっているが、台湾ではまだ年金制度が熟年離婚を増加させる誘因とはなり得ていない。しかし、社会の婚姻・離婚に対する考え方の変化や、女性の経済力の高まりが熟年離婚を増加させているという。
女性の婚姻問題に取り組む組織、台北市晩晴婦女協会によると、近年60代、70代の女性やその子供からの離婚に関する問い合わせが増えており、台湾でも従来の「結婚はとにかく辛抱」「離婚は悪」という考え方は大きく変化しているようだ。