ニュース 電子 作成日:2022年5月11日_記事番号:T00102462
11日付経済日報によると、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は10日、2023年から受託生産価格を全面的に引き上げると顧客に通知した。値上げ幅は平均6%。複数のIC設計会社が値上げ通知があったと認めた。21年8月に続く再値上げで、同業も追随しそうだ。
成熟プロセスも、まだ買い手市場が続いているようだ(TSMC提供)
TSMCは、以前はほぼ値上げせず、値引きを取りやめる程度だったが、21年8月に成熟製造プロセスを最大20%値上げ、先進プロセスを7〜10%値上げしたとされる。23年の値上げで、先進プロセスと成熟プロセスの値上げ幅が近づくようだ。ある業界関係者は、同業よりオファー価格が低い成熟プロセスのみ値上げし、先進プロセスの価格は変更していないと指摘した。
値上げする製品は、23年も強い需要が見込める高性能計算(HPC)や車載用半導体などが中心と推測されている。ハイエンドのスマートフォンなど消費者向け電子製品向けの半導体については、顧客は、量を確保するため、TSMCと長期契約を締結しているようだ。
インフレなど考慮
あるIC設計会社は、TSMCは生産能力不足、インフレ、生産コスト上昇などを考慮し、値上げを決定したと分析した。日本や米国での工場建設費用が予想以上にかかることも一因のようだ。
複数のIDM(垂直統合型の半導体メーカー)は第1四半期に10%値上げしている。主に成熟プロセスで生産する電源管理IC(PMIC、パワーマネジメントIC)やマイクロコントローラー(MCU)、高圧製造技術を用いる第3世代半導体など。HPCや車のインターネット(IoV)などの需要で、先進プロセスも生産能力が不足している。
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