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《新型肺炎》《ワイズ横丁》死者は24時間以内に火葬、当局の見解一転で混乱/台湾


ニュース 社会 作成日:2022年6月8日_記事番号:T00102975

《新型肺炎》《ワイズ横丁》死者は24時間以内に火葬、当局の見解一転で混乱/台湾

 新型コロナウイルス感染症で亡くなった死者の遺体は、臨終から24時間以内に火葬を終えるよう規定されているとの認識が広まる一方で、中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)指揮官の陳時中・衛生福利部(衛福部)長は1日、24時間以内に届け出をする必要があるのであって、遺体を24時間以内に処理する必要はないとの見解を示した。しかし7日に、24時間以内に火葬すべきと見解を一転させ、混乱を招いている。

/date/2022/06/08/20ke_2.jpg柯・台北市長は7日、最後のお別れができるように、透明の遺体袋の使用を検討すると語った(7日=中央社)

 国民党が7日開催した記者会見に参加したある女性は、新型コロナ感染症で父親が死亡した際、医師から「24時間以内に火葬しなければならない」と告げられ、遺族は従わざるを得なかったと証言。その後、目にしたのは父親の遺体が収められ、その上から何重にもラップフィルムが巻かれた棺だった。

 「本当に父は死んだのか」と実感が持てない中、唯一入棺に付き添ったヘルパーから、衣服も換えず、おむつも付けたまま、注射の針も刺さったままで遺体収容袋に収められたと聞かされたものの、遺族は納得せざるを得なかった。

 その後、陳・衛福部長が「24時間以内に火葬しなければならないとは言っていない」と発言する姿をテレビで目にした。遺族が病院に対し、法的根拠を示すよう求めろというのかと感じたそうだ。それ以上に、父親が人生の最後に人としての尊厳を無視し、医療廃棄物のように扱われたことが悲しかったと訴えた。

 陳・衛福部長は7日、公的文書に「できるだけ早く遺体を処理すべき」と記されていることについて、明確に書いていないだけで「24時間以内」を意味すると指摘。死者に別れを告げる時間が取れるようにしてほしいとの市民の声に対しても、現時点で棺の中の遺体と遺族の対面を認めることは検討していないと語り、見解を一変させた。

 これを受けて柯文哲・台北市長は、全ての県市で24時間以内に火葬することになっても、はっきり見解を示しさえすれば、誰も陳・部長を攻撃したりはしないと苦言を呈した。盧秀燕・台中市長も全土統一の具体的な指針を速やかに策定し、混乱を解消すべきと提言した。