ニュース 電子 作成日:2022年6月17日_記事番号:T00103125
業界の観測によると、サムスン電子は、友達光電(AUO)、群創光電(イノラックス)など社外の液晶パネルサプライヤーに対し、16日から7月末まで新規調達を一時停止すると通知した。世界的なインフレで消費意欲が弱まり、サムスンはテレビ完成品の在庫が16週、スマートフォンが12週に上昇しているようだ。サムスンの幹部は、テレビだけでなく、家電、スマホなどの全ての部品の入荷を停止するよう命じたとされ、台湾のサプライヤーに大きな打撃となりそうだ。17日付経済日報などが報じた。
韓国メディアの報道によると、サムスンディスプレイ(SDC)は6月でテレビ用液晶パネル生産を終了する。業界関係者は、サムスンはテレビブランド世界首位で、液晶パネルの調達先は、▽AUO、▽イノラックス、▽京東方科技集団(BOEテクノロジーグループ)、▽恵科(HKC)、▽堺ディスプレイプロダクト(SDP)傘下の超視堺国際科技(広州)──などで、入荷停止の影響は大きいと指摘した。
サムスンの財務報告によると、3月末時点の在庫は47兆6000億ウォン(約5兆円)と前期比15%増、前年同期比55%増えた。
市場調査会社、オムディアの謝勤益(デビッド・シェイ)ディスプレイ部門研究総監は、サムスンは今年に入り何度も出荷目標を下方修正しており、4月からパネル調達を減らし始めたと指摘した。第2四半期のテレビ用パネル調達枚数は820万枚と、従来の1000万枚以上を下回り、過去10年で最低だった。第3四半期のパネル調達予測も900万枚と、従来の1200万枚から下方修正された。
サムスンは今年、モニター用パネルをAUOに300万枚、イノラックスに200万枚発注していたが、下方修正が迫られそうだ。
AUOとイノラックスは16日、市場のうわさや報道にはコメントしないとした。台湾サムスン電子もノーコメントだ。
IC出荷、3~4割減
サムスンの入荷停止で、ディスプレイ用ICサプライヤーも打撃を受けそうだ。
大手のIC設計会社は、▽テレビ用システムオンチップ(SoC)、▽ドライバIC、▽スマホ用アプリケーションプロセッサー(AP)、▽相補性金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサー(CIS)──などのサムスン向け出荷が、7月末まで3~4割減少すると予想されている。中小型のIC設計会社は、出荷停止を強いられるようだ。
サムスンは、スマホブランド世界首位でもある。サムスンのスマホ部品サプライヤー、▽IC設計最大手、聯発科技(メディアテック)、▽スマホ用光学レンズ最大手、大立光電(ラーガン・プレシジョン)、▽放熱モジュール、双鴻科技(オーラス・テクノロジー)──は16日、全体的な見通しは変わらないとコメントした。
【セミナー情報です】
日本人向けワイズ経営塾、台湾新任編で、経営の基礎と、台湾のビジネス環境を学びませんか?経営者が知っておくべき法律や在台日系企業の給与事情もご紹介します。8月26日開講。
検索は「8月新任編、ワイズ」。
【セミナー情報の詳細はこちら】
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722