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作成日:2008年9月18日_記事番号:T00010318
「経済回復には数年かかる」、経済界トップが悲観見通し
米証券大手リーマン・ブラザーズの破たんを受け、域内企業にも世界経済への懸念が広がる中、民間大企業グループの代表者により構成される経済団体、「三三会」の会合で17日、台湾積体電路製造(TSMC)の張忠謀董事長や東元集団(TECO)の黄茂雄会長など台湾経済界の重鎮から、「景気低迷は少なくとも数年続く」という悲観的な見通しが相次いだ。18日付工商時報が報じた。
「三三会」が同日開いた毎月第3水曜日の定例会合には、劉兆玄行政院長が招かれて講演を行った。1時間近くにも及んだ講演では「天網計画」など政府の消費拡大政策について説明が行われ、その中で「台湾の景気は第4四半期から好転する」という楽観的な見通しが示された。
しかし、講演中に居眠りをする者も見受けられ、劉院長が話し終えた後、場内は水を打ったように静まり返った。たまりかねた黄東元会長は「世界経済が低迷する中、台湾の最大の問題は何で、政府政策の重点はどこにあるか具体的に示してほしい」と劉院長に質問した。さらに政府の景気振興策について「効果が見えず、庶民に希望が与えられない」と不満を表明した。
会合終了後黄会長は、第4四半期に好転するという見通しに対し「難しい。経済の台風は来襲したばかりで、厳しいのはこれから」という見解を示し、政府はより具体的な対策を」と注文をつけた。張董事長も、劉院長の講演に対し「礼儀上聞いただけ」と冷やかな反応を見せた。経済界で政府への不信感が高まっているもようだ。