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南亜科技、自社開発10ナノ新工場25年稼働へ(トップニュース)/台湾


ニュース 電子 作成日:2022年6月24日_記事番号:T00103247

南亜科技、自社開発10ナノ新工場25年稼働へ(トップニュース)/台湾

 DRAM最大手、南亜科技(ナンヤ・テクノロジー)は23日、自社開発の10ナノメートル台の製造プロセス技術を採用した製品を生産する12インチウエハー工場に、新北市泰山区の南林科技園区で着工した。10ナノ技術の1A~Dの段階のうち、最先端の1Dで導入予定の極端紫外線(EUV)露光(リソグラフィー)装置を設置する独立した工場棟も設ける。2025年に第1段階の量産を開始し、3段階の拡張後の月産能力は4万5000枚とする計画だ。同社全体の生産能力は現在の2.2倍に拡大し、10ナノが主力製品となる。総投資額は3000億台湾元(約1兆3600億円)。24日付経済日報などが報じた。

/date/2022/06/24/01dram_2.jpg蔡英文・総統(中)は23日の着工式で、南亜科技の新工場着工により、台湾の半導体産業がさらに発展すると語った(総統府リリースより)

 10ナノ新工場には、メインの工場棟とEUV露光装置の設置棟のほか、研究開発(R&D)ビル、水資源再生センターを設ける。生産ラインには人工知能(AI)スマート製造技術を導入し、生産効率の向上を図る。

 李培瑛・総経理は、10ナノ新工場の年間生産額は、700億元以上に上ると予測した。3000人の雇用機会を生み出し、サプライチェーン(供給網)でも数千人の雇用増を見込む。

10ナノ1A、下半期量産へ

 呉嘉昭・董事長は、10ナノの第1世代の1A技術製品は、今年下半期に量産する予定と説明した。第2世代の1B技術製品は試験生産に入っており、第3世代以降の1Cと、EUV露光技術を導入する1Dは研究開発段階だと話した。

 呉・董事長はまた、同社は過去5年で研究開発費を3倍に、研究開発の人員を1000人規模に増やし、DRAMの重要技術の開発を進めていると指摘した。世界の特許数は5000件以上に上る。

 南亜科技は40ナノから20ナノプロセスに至るまで、米マイクロン・テクノロジーのライセンス供与を受け、多額のライセンス費用を支払い、生産能力の自由な拡大ができなかったとされる。10ナノ以降は自社開発し、マイクロンにライセンス供与を受けないと通知しているという。

 親会社の台塑集団(台湾プラスチックグループ)の王文淵・総裁は、DRAMの技術革新のペースは速く、自社で研究開発しなければ、技術も生産拡張も自由にできず、経営の足かせになると指摘。南亜科技の次世代の10ナノ技術開発の成功は、台湾のDRAM産業が世界で一流の先進技術を獲得したことを意味していると強調した。

DRAM価格、回復は来年か

 李・総経理は、侵略やインフレで消費者の購買意欲が低下し、第3四半期は市況が低迷し、価格が下落し続けるとの見通しを示した。回復は来年まで待つ必要があると予測した。

 一方で、呉・董事長は、長期的には▽クラウド、▽サーバー、▽人工知能(AI)、▽自動運転車、▽第5世代移動通信(5G)、▽モノのインターネット(IoT)──などで需要が大幅成長し、DRAM産業の市場規模は年15~20%成長が続くと予測した。

 

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