ニュース 公益 作成日:2022年6月28日_記事番号:T00103299
経済部は27日、7月1日から電力料金を平均8.4%引き上げることを決定した。引き上げは4年ぶり。主に企業が使用する高圧電力は、1キロワット時(kWh)当たり2.6990台湾元から3.1039元(約14円)に、特別高圧電力は2.2354元から2.5707元に、15%引き上げる。一方で、新型コロナウイルス感染拡大の打撃を考慮し、▽農業漁業、▽食品、▽百貨、▽飲食、▽映画館、▽フィットネス──産業の高圧電力料金や、一般住宅の97%の電力料金は据え置いた。28日付工商時報などが報じた。
電力料金は毎年4月と10月に調整しているが、ウクライナ情勢による国際エネルギー価格の高騰を受け、今年4月の調整を延期していた。
経済部は27日の電価費率審議会の臨時会合で、国際エネルギー価格が高止まりしており、台湾電力(台電、TPC)は燃料コストだけで昨年より3000億元増える見通しだと説明した。電力料金を8.4%引き上げても、290億元しか収入は増えず、今年の損失は1000億元を超える恐れがある。
TSMC、年間40億元増か
高圧電力、特別高圧電力の大口使用者は、半導体など電子産業や、鉄鋼、セメントなど2万2000戸。
ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)や、聯華電子(UMC)、力晶積成電子製造(パワーチップ・セミコンダクター・マニュファクチャリング、PSMC)、液晶パネル大手の友達光電(AUO)は、政府の決定を尊重すると表明した。市場では、TSMCは電力料金が年間40億元増えるとみられている。
半導体用シリコンウエハー最大手、環球晶円(グローバルウェーハズ、GWC)の徐秀蘭・董事長は、半導体産業にとって、電力料金の引き上げより、電力供給の断絶の方が一大事のため、電力料金を引き上げるなら、電力供給をもっと安定させてほしいと語った。
一方、鉄鋼最大手、中国鋼鉄(CSC)の翁朝棟・董事長は、15%引き上げとは、予想していた10%を上回ったと指摘した。減産したり、海外から調達した方が安く付き、鉄鋼業界に打撃となる恐れがあると語った。
桃園都市交通システム(MRT)を運営する桃園大衆捷運(桃園メトロ)は27日、新型コロナで運賃収入が減る中、電力料金が年間3500万元増えると指摘した(27日=中央社)
中華民国全国工業総会(工総、CNFI)は、企業の台湾投資意欲が低下すると懸念を示した。中華民国工商協進会(CNAIC)の呉東亮・理事長は、夏季電力料金が適用され、新型コロナ域内感染状況が落ち着いてきたタイミングで、工業や商業の正常化に水を差すと指摘した。
中華民国全国商業総会(商総)の許舒博・理事長は、五つ星観光ホテルが、電力料金引き上げの免除対象外だったのは不満だと語った。
小規模商店も据え置き
一般住宅は、電力使用量が1000kWhを上回った部分について、電力料金を9%引き上げる。1000kWh以下の部分は据え置く。経済部は、電力使用量1000kWh以下の一般住宅は1272万戸で、97%を占めると説明した。
小規模商店、低圧電力を使用する商業施設、高校以下の学校の電力料金も引き上げない。
電力使用者全体では、電力料金引き上げは38万2000戸にとどまり、残り1436万戸は据え置きだ。
林全能・経済部常務次長は、行政院主計総処の予測では、消費者物価指数(CPI)を0.04ポイント押し上げると指摘した。
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