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TSMC、「来年上半期まで顧客が在庫調整」【表】(トップニュース)/台湾


ニュース 電子 作成日:2022年7月15日_記事番号:T00103630

TSMC、「来年上半期まで顧客が在庫調整」【表】(トップニュース)/台湾

 ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の魏哲家・総裁は14日開催した業績説明会で、サプライチェーン(供給網)が在庫水準を引き下げ始めており、2023年上半期まで顧客の在庫調整が続くと予測した。スマートフォンやパソコンなど消費者向け電子製品の需要鈍化が主因と指摘した。ロシアのウクライナ侵攻やインフレなどで需要が減退、半導体の在庫が膨らみ、発注削減の観測が相次ぐ中、TSMCが在庫調整に初めて言及した。15日付経済日報などが報じた。

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 魏・総裁は、半導体の在庫水準が健全な水準に戻るまで数四半期かかり、通常の「シリコンサイクル」に近い状況だと指摘した。

 シリコンサイクルとは、半導体産業の約4年周期で好況と不況を繰り返す景気循環のこと。新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)で電子製品の特需が発生し、半導体需要が増え続ける「スーパーサイクル」とみられていた。

 魏・総裁は、ハイエンドスマホ向けの在庫調整はみられないと語った。高性能計算(HPC)チップは応用製品が多く、安定成長していると述べた。データセンター向けや車載用半導体の需要は依然強く、全体として年内は顧客の需要が同社の生産能力を上回ると説明した。

 半導体などの部品不足で、TSMCへの設備納入が遅れているとの見方について魏・総裁は、設備メーカーの幹部に進捗を確認したり、不足している半導体の生産支援を行ったりしていると説明した。

 黄仁昭・財務長は、設備投資予算を来年に一部繰り越し、今年は従来計画の下限、400億米ドル前後になると説明した。魏・総裁は、今年の生産計画に影響はないと強調した。

 先進プロセスについて魏・総裁は、3ナノメートル「N3」は下半期に量産を開始し、「N3E」は顧客が多く、23年下半期に量産を開始する予定と述べた。2ナノ「N2」は24年に試験生産、25年に量産入りする予定だ。

 劉徳音(マーク・リュウ)董事長は、米国アリゾナ州で建設中の新工場は、コストが予想以上にかかるが、顧客との合弁にする計画はなく、米国政府からの補助金を勝ち取ると述べた。

通年36%増収へ

 TSMCは、第3四半期の連結売上高見通しは、198億~206億米ドルと平均で前期比11.2%増え、過去最高を更新すると予測した。通年の連結売上高見通しは前年比34〜36%増と、6月時点の従来予測30%増から引き上げた。767億2000万米ドルとなる計算だ。

 TSMCが同日発表した第2四半期の連結売上高は前期比8.8%増、前年同期比43.5%増の5341億4000万台湾元(約2兆4700億円)だった。粗利益率は59.1%、営業利益率は49.1%、純利益は前期比16.9%増、前年同期比76.4%増の2370億3000万元で、過去最高を更新した。

 製造プロセス別の出荷構成比は、5ナノメートルが販売額の21%、7ナノが30%と、先進プロセスが過半を占めた。応用別では、HPCが43%、スマホが38%、IoTが8%、車載用が5%などだった。

 

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