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伯朗コーヒー、メラミン検出で自主回収


ニュース 食品 作成日:2008年9月22日_記事番号:T00010404

伯朗コーヒー、メラミン検出で自主回収

 
 コーヒー飲料大手の金車集団(キングカー)は21日、自社ブランドの粉末ミルク入りインスタントコーヒーなど8種類の製品から有害物質メラミンが微量に検出されたとして、市場に流通する12万箱の自主回収を発表。李玉鼎副総経理が謝罪を表明した。報告を受けた行政院衛生署は同日、中国で生産された▽粉ミルク▽乳製品▽植物性タンパク食品──の全面輸入禁止措置の即日実施を宣言した。大手メーカーのブランド品にまで影響が及んだことは、社会に大きな衝撃を与えている。22日付経済日報などが報じた。
 
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オフィスで手軽に飲めるインスタントコーヒー。伯朗ブランドを愛飲していた人も多いことだろう。返品や交換は量販店やスーパー、コンビニでも受け付けている
(中央社=21日)
 
 金車集団の発表によると、メラミン検出は、中国でメラミン入り粉ミルクで被害が広がっている事態を受けて自主的な調査を行った結果、明らかになった。検出製品は、山東都慶(中国山東省)の植物性粉末ミルクを使用した、▽伯朗コーヒー(ミスターブラウン・コーヒー)のインスタントコーヒー(粉末ミルク、砂糖入りの個別包装)7種類▽インスタントの鶏ササミ入りコーンクリームスープ──。4月9日~9月12日製造の2,160万パック、総額2億台湾元(約6億6,800万円)近い製品をすべて回収する方針で、1週間以内に全体の95%を回収したい考えだ。

 同日付蘋果日報によると、同インスタントコーヒー1パック(15グラム)にはメラミン8ミリグラム、スープ1パック(12.6グラム)にはメラミン20ミリグラムが含まれている。体重60キログラムの成人の場合、毎日コーヒーを4~5杯、またはスープ2パック分を長期的に飲用すると、腎結石や尿道結石を発症する恐れがあるという。

 なお、同集団のコーヒーチェーン、伯朗コーヒーの30店舗では、域内乳製品大手の光泉牧場(KCデイリー)の牛乳を、缶コーヒーには豪州・ニュージーランドの粉ミルクを使用しており、問題はないと表明している。

 金車集団から報告を受けた衛生署は、世界保健機関(WHO)に報告。同集団は、植物性粉末ミルクからメラミンが検出された世界初の例に当たるという。
 
中国乳製品類、市場規模210億ドル
 
 金車集団が使用していた粉末ミルクを製造する山東都慶のホームページでは、供給先として、▽統一企業(ユニプレジデント)▽康師傅控股▽ネスレ──などの企業名も挙がっている。3社は21日、現在は山東都慶との取引はないと表明した。

 英調査会社、ユーロモニターインターナショナルによると、中国の乳製品の市場規模(粉ミルクを除く)は2003年の88億米ドルから、07年には179億米ドルに、粉ミルクは03年の14億米ドルから07年には31億米ドルまで拡大した。世界各国の食品会社では、規模の大小を問わず中国の安価な原料および労働力の利用が一般化しており、金車集団も記者会見で、「今後中国からいかなる原料も輸入しない」とは表明できなかったと経済日報は指摘している。

 なお、コーヒーチェーン、丹提コーヒーは、味全食品の林鳳営ブランドの牛乳と開元食品(クリエーション・フード)のコーヒーフレッシュを、台湾スターバックスは統一集団の牛乳を使用しているという。
 
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