中国四川省は気温が40度を超えるなど連日の猛暑で電力供給が逼迫（ひっぱく）しており、急きょ15〜20日を「高温休暇」とし、全ての工業電力使用者に対し、生産停止を命じた。四川省と同省に隣接する重慶市は、世界のノートパソコンの70〜80％を生産する集積地だ。四川省成都市には、受託生産大手の仁宝電脳工業（コンパル・エレクトロニクス）などの工場がある。業界関係者は、インフレなどでノートPC需要が振るわないため、生産調整などで対応可能で、影響は限定的と指摘した。16日付経済日報などが報じた。

　コンパルは、情報を確認できておらず、コメントできないとした。成都工場と重慶工場で、コンパルのノートPC生産能力の約50％を占める。

　中国メディア、財聯社（CLS）の報道によると、鴻海精密工業傘下の富士康工業互聯網（フォックスコン・インダストリアル・インターネット、FII）の成都工場は15〜20日まで生産を停止する。成都工場では、PCなど消費者向け電子製品、ネットワーク機器、自動車部品などを生産している。

　鴻海とコンパルは四川省で、アップルのタブレット端末「iPad」や腕時計型ウエアラブル（装着型）端末「Apple Watch（アップルウオッチ）」を生産しており、9月発表とみられるiPad新機種の量産が懸念されている。

　重慶市に工場がある受託生産最大手の広達電脳（クアンタ・コンピューター）は、通常通り稼働しており、8月のノートPC出荷目標に変更はないとした。重慶工場は、クアンタのノートPC生産能力の80％を占める。

　英業達（インベンテック）は、現時点で影響はないと説明した。インベンテックは重慶工場がノートPC生産能力の90％を占める。

GIS成都工場、生産停止

　タッチパネル大手、業成控股（ゼネラル・インターフェース・ソリューション・ホールディング、GIS）は15日、成都工場に現地当局から通知があり、20日まで生産を停止し、他の工場の生産支援などで対応すると説明した。

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