ニュース 電子 作成日:2022年8月17日_記事番号:T00104254
半導体設備業者によると、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は3ナノメートル製造プロセス「N3」で9月に量産を開始するようだ。6月末に3ナノ量産成功を発表したサムスン電子より出遅れたものの、TSMCの3ナノプロセスは、第4四半期にはウエハー投入枚数が1000枚に上る見込みで、アップルをはじめ、大手7社が顧客に確定しているようだ。17日付工商時報が報じた。
業界関係者によると、TSMCの3ナノプロセスの最初の顧客はアップルで、ノートPC「MacBook Pro(マックブックプロ)」に搭載する自社開発のアップルシリコン「M2プロ」に採用するようだ。23年秋に発表するとみられるスマホ、iPhone15(仮称)シリーズに搭載するプロセッサー「M2」、「M3」にも3ナノプロセスを採用するようだ。
サムスンが3ナノプロセスに世界で初めてゲート・オール・アラウンド(GAA)技術を採用した一方、TSMCのN3は立体構造トランジスタ(FinFET)アーキテクチャーを引き続き採用し、異なるFinFETベースの回路ブロックを1つのチップに集約する「TSMC FINFLEX」技術で、消費電力・パフォーマンス・面積(PPA)向上を図る。
半導体設備業者は、N3の当初の良品率は5ナノプロセス「N5」の量産初期を上回る見込みと語った。
TSMCの魏哲家・総裁は7月中旬の業績説明会で、N3の進捗(しんちょく)は予定通りで、下半期に量産すると説明していた。その直前の報道では、顧客のインテルが今後1年のロードマップと生産計画を変更したことで、TSMCは新竹科学園区(竹科)と南部科学園区(南科)で8月に量産を開始する予定だった3ナノよりも、5ナノプロセスの生産を優先するとの観測も浮上していた。
インテル向け23年下半期か
TSMCは、23年下半期にN3から派生する強化版「N3E」を量産する予定で、主にアップルとインテルが顧客となる。続いて、24年に「N3P」を、25年に「N3X」を量産する予定。このほか、時期は未発表だが、集積度を高めた「N3S」もリリースする予定だ。3ナノは主に▽スマートフォン、▽モノのインターネット(IoT)、▽カーエレクトロニクス、▽高性能計算(HPC)──向けとなる。
業界関係者によると、インテルがタイルにTSMCの3ナノプロセスを採用するほか、▽アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、▽エヌビディア、▽クアルコム、▽聯発科技(メディアテック)、▽ブロードコム──の製品が23~24年にテープアウト(設計完了)する見込みだ。
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