ニュース 電子 作成日:2022年8月31日_記事番号:T00104500
ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の魏哲家・総裁は30日に開催した技術シンポジウムで、3ナノメートル製造プロセス「N3」は予定通り、間もなく量産を開始すると述べた。ライバルのサムスン電子が6月末に3ナノ量産を発表したものの、魏・総裁は、TSMCは25年に2ナノ量産を開始し、先行すると自信を示した。31日付経済日報などが報じた。
魏・総裁は、熟考の末に、3ナノに立体構造トランジスタ(FinFET)アーキテクチャーを引き続き採用したのは、イメージより、実利を取ったためと語った。また、TSMCが受託生産する限り、製品の設計を奪われる心配はないと話し、サムスンやインテルへの当て付けのような発言で会場の笑いを誘った。自由時報によると、サムスンは3ナノで新たにゲート・オール・アラウンド(GAA)技術を導入したものの、技術的難易度が高く、良品率が不安視される上、価格も高く、顧客がいないとみられている。
TSMCの張暁強・業務開発シニア副総経理は、N3量産に続いて計画通り、2023年下半期に強化版「N3E」を量産し、24年に「N3P」を量産する計画と説明した。
業界では、サムスンが3ナノ量産で先行したことで、TSMCがN3を中止し、N3Eに移行するとの観測が出ていた。
魏・総裁は、25年に量産を開始する2ナノでは、新たにナノシートトランジスタアーキテクチャーを採用すると語った。N3Eより処理速度が10〜15%向上し、消費電力が25〜30%抑制できると説明した。
日米台工場、24年に一斉稼働へ
魏・総裁は、サプライチェーン(供給網)はグローバルからローカルに移行していると指摘。各国の政府が地政学的リスクから、自国での半導体工場設置を望んでおり、コストが急増していると語った。
TSMCの高雄工場、熊本工場、米国のアリゾナ工場は24年に量産を開始する予定だ。中国では、江蘇省の南京工場で28ナノプロセスの拡張工事が完了し、今年第4四半期に量産を開始する予定だ。
王英郎・工場営運一副総経理は、かつては1年に新工場を平均2基建設していたのが、過去3年は年6〜7基に増え、今年と来年は各5基を建設すると説明した。
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